お疲れ様です。 のだじゅらく と申します。
ゲームプレイに納得感を持ちたいのがプレイヤーです。
それはゲームデザイナーも頭を悩ませているのだろうな。と常々思います。
アクワイアにおいて、あるあるなのが、
「タイルの引き運が無い」という問題なのだ。
まぁ、この部分こそ慣れてきたプレイヤーの本領の見せ所なのだし、
初心者が勝利して楽しめるランダム性を持たなければならない。
完全な実力差が出るゲームは敷居の高さ、ゲームの重さにつながる。
・ルールが簡単
・運と実力の要素がある
この2点があってドイツゲーム、ボードゲームの本質といっても過言ではない。
それでも…つい、呟きたくなることはあるのだ。「運ゲー」という負け惜しみを。
ただし、初めてのプレイヤーがいる場合は正規ルール(取扱説明書に載ったルール)で行いましょう!
1度でもいいので、60年前のゲームがどのようなものかを知ってからアレンジを味わいましょう。
ゲームデザイナーであるシド・サクソンに敬意を。
アクワイアで納得できない点
・初期タイル引きの運で株券ボーナスをもらえないプレイヤーが発生する。
・自分にとって有利なタイルが無く、常に苦しい。
何せ60年前のゲームなのだからもう少し公平性があっても良いのではないかというのが今回だ。
幸いなことに、他のボードゲーム等において納得感を増やすアイデアは紛れ込んでいる。
今度試してみたいアレンジを提案したい。
アレンジルール
まずはアクワイアのタイル引きに関するおさらいをしよう。
タイルは順番決めのタイルをボードに置いた後、
6枚まとめて手持ちに入れる。
その後は、自身の手番終了時に1枚ずつ引くこととなる。
非常にシンプルなので、ここにアレンジルールを加えていく…。
ドラフトルール
ゲーム開始時、6枚のタイルを受け取り、
内容を確認したうえで1枚を自分のタイルとして回収する。
残った5枚を隣のプレイヤーに回します。
これを6枚のタイルがそろうまで繰り返す。
残りはアクワイア本来のルールとする。
かの有名な世界の七不思議やテラフォーミング・マーズ(選択ルール)からメカニクスを拝借した。
判断材料と時間が増えてしまうが、アレンジの落としどころとしては良いのではないだろうか?
極端に誰かのタイルばかりが良立地になることは抑えられそうな気がする。
ただ、場合によっては初期タイルが把握できるため、
あからさまなインサイダー取引につながりかねない…。
なので、3枚だけのドラフトとすることで不確定要素を増やすのも良いかもしれない。
そうすればプレイ時間の所要時間はそこまで増えることはないだろう。
ワイルドタイル
ゲームのルールは同じ。初めも特に変更なし。
もちろん前述したドラフトルールを組み合わせても良い。
■ワイルドタイルのルール
必ず、タイルをボードに1枚置く前に宣言すること。
各プレイヤーはゲーム中に1度だけ手番中に保有タイルを1枚
ワイルドタイル(空いていればどこ置いても良いタイル)として使用できるものとする。
ただし、11枚以上のホテルをつなぐために使用することはできない。
◆他プレイヤーが該当するタイルを所有している(した)場合
本来置かれるタイルを他者が保有していた場合は、その場でタイルを交換する。
特になければそのままゲームを進行し、当該プレイヤーの吸収合併処理or株券購入に移行する。
また、ゲーム進行後に自身の手番で気づいた場合は他プレイヤーに公開した後、
ボードのタイルと交換する。
その際、当該プレイヤーは交換したタイルを保有しても良いし、
廃棄して新規に1枚交換しても良いこととする。
ただし、その処理は株券購入後とし、タイルを引く前に申請すること。
これはルールが複雑となるため微妙な気がするが…。
トランプゲームの7ならべにおけるジョーカーの扱いに近い考えだ。
イメージとすると、不当に建設現場を抑えたようなものだろうか?
前述のドラフトルールよりは確実にホテルの吸収が起こりうるので、よりスリリングになる。
吸収合併や資金の枯渇に対しても柔軟に対応しやすくなることを期待したい。
このアイデアはBGG内で既出
ちなみに…BGG(ボードゲームギーク)内でワイルドタイルの概念は既に出ています。
プレイヤーは、ゲーム中いつでも自分のターン中に空いているマスにプレイできる空白のタイルを1枚持って始めるヴァリアントルールが存在しています。
ヴァリアントキットの内容は非常にシンプル。
アルファベットと数字が描かれていない最大人数分の建物コマ(タイル)を6個。
そして、ゲームプレイに支障が出そうな部分の補足を書かれた説明書がついていたようです。
説明書は既出タイルと被った場合などの処理が記載されていると考えられます。
プレイヤーが欲しいタイルを確実に一つ手に入ることで、タイルの不満点を解消している好例です。
私のルールは混乱してしまう可能性がある分、追加で何かを用意する必要はありません。
株券取引
前提ルール:各個人の銘柄と株券枚数はオープン情報であること
自身の手番時において株券購入後、
他プレイヤーにホテルの株券と現金の交渉を持ちかけることができる。
(ただし、手番中1回とする。交渉決裂したら潔くタイルを引いて次プレイヤーの手番とすること。)
◆取引時のルール
交渉できる株券は3枚までとする。(自身の購入分を足すと計6枚動く)
株券の銘柄は1種類とする。(次手番の際は別銘柄可。)
購入金額は必ず現相場の1段階上以上で購入する。
(タワーが2枚で現相場が$200なら1枚につき$300以上で購入すること)
有名なカタンの交渉を参考にした。(カタンは複数資源が交換可能。)
上記2つのアレンジがタイルの引き運に関わる修正に対して、
株券保有の部分に焦点を当てたものとなる。
何と、他者間での取引を可能にしてしまうという算段だ。
もはやゲームが変わってしまうかもしれない。
お金に換金できる手段を別で得たことになるので、3位にとっては良い交渉材料となりそうだとは思う。
結論、株券は13枚保有できれば必ず筆頭株主になれるので制限が無ければ、
無法地帯となりそうなので……交渉は自身の株券購入後であること、
3枚までの購入制限と手数料そしてプレイヤー同士の公開情報は必須だと考えている。
まぁ、利用されない可能性もあるが、初めはそれぐらいのアクセントで良い。
劇薬はゲームの破綻につながりやすい。60年生きてきたゲームならなおさらだ。
ただし、初期は手持ち資金が乏しいため、収入の算段が付いている証にはなりそうだ。
交渉と長考によるゲーム時間の肥大化は免れないだろう。
さらに言えば、これは全員が最後まで1位を目指すことが前提となる。
下写真のように、カタンでも見られるキングメーカー問題
(1位になれない第3者の介入でプレイヤーの1位が決まる)につながりかねないからだ。
そこはまだまだ、改良の余地が必要かもしれない…。さて、話を戻すと、
このアレンジルールでは、
株券を持つことが勝利につながるのだから、株券を貸す側は疑似的な借金ととらえても良いだろう。
だが、うまくいけばせどり屋としての戦略も産まれてくるのではないかと期待したい。
まとめ
前にアレンジルールを紹介しましたが、
今回はアクワイアの不満点をマイルドにするアレンジを提案をしてみました。
折角リメイクが出たのですから、タイクーンモード(3位まで配当が出る)のように
伝統も守りつつも現代に活かせるようなデザインもありなのではないかと思います。
ただし、初めてのプレイヤーがいる場合は正規ルール(取扱説明書に載ったルール)で行いましょう!
改めて、シド・サクソンに感謝を!
ではまた次回ごきげんよう!
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