アクワイア(ACQUIRE)についての話 その20(AIが考えるアレンジルール)

アクワイア(ACQUIRE)の話 その20_アイキャッチアクワイア(ACQUIRE)

お疲れ様です。 のだじゅらく と申します。

アレンジルールの話を何度か今までしましたが、
他者から聞いたルール自作したルールを紹介しました。
近年のAI ChatGPT にもアレンジルールを聞いてみました。

ChatGPTに対して、初めにルールを説明した後、
アレンジルールを加えるとしたらどうしますか?と聞きました。
あくまで要素だけで詳細は自分で考えることとしました。
なんか、ずるい気がしたので…。

■AIの提案したアレンジ3選

大きく分けると3つのカテゴリーで提案されました。

①内容物の追加
・追加のホテルチェーン
・拡張ボード

②株価に関するルールの追加
・季節効果で変動する株価
・イベントカードやイベントスペース(株価変動に関する内容のみ)

③ゲーム性の変化(非対称ゲーム、協力ゲーム)
・特別能力の付与
・協力ホテルチェーン
(複数プレイヤーが共同でホテルチェーンの創設を行う)

■AIのアレンジについての考察

①内容物の追加 有名なボードゲームではよくある。

カタン、ドミニオン、カルカソンヌと息の長いゲームでは特にそうだ。
長く遊ばれるためには、騎士、ミープル、カードやタイルの追加は逃れられないのだろう。
追加するということは大本のゲームルールがそのまま採用されているので、
既存のプレイヤーに対して受け入れられやすくはあるが、
反面、ゲームの長期化にもつながりやすい点と新規プレイヤーは「重く」なることにつながる。

・追加のホテルチェーン
高級ランクのさらに上、超高級ホテル(初期相場$500)を1つ追加するといったところか?
よりハイリスクハイリターンとなりそうなので、
これを設ける場合はタイクーンモード(3位までが配当金を受け取れる)でやると良いだろう。

・拡張ボード
個人用ボードか共通ボードでも異なるだろう。

個人用ボードなら、
テラフォーミング・マーズのように、手持ちの資金を置く場所+サマリーのようなタイプ
株券や保有資金を公開情報としてプレイするものが良いかもしれない。

共通ボードであれば、アズールのようにホテルタイル競売を行うものかもしれない。
ちなみにアズールでは装飾するタイルの柄を他のタイル職人と取り合う。
アクワイアなら…タイル番号が見える状態で競り合う。前に紹介したドラフトルールに近い。

②株価に関するルールの追加 さらなる格差を生む?

ゲーム終了時にはどのプレイヤーも資金が増えている状態ではないかもしれない点には注意が必要だ。
最終的には、必ず全員が儲かるのがアクワイアの特徴でもあるので、
それを変更してしまうと…そもそもアクワイアではないかもしれない…。

・季節効果 
一定ラウンド(各プレイヤーの手番が行われ、一定カウントで季節が動く)
夏になれば北側(A、B側)が冬になれば南側(H,I側)価格が高騰する。
または、下落する要素はより現実の株式に近づき、面白いかもしれない。
麦わら帽子を冬に買うような戦略が取れるようになるかもしれない。

ボードの都合上、端側のホテルは近くにチェーンが無ければ決して価値は高くない。
シーズンによってより安く買えるor高く売れるなら、より駆け引きが産まれる可能性は高い。

プエルトリコや電力会社のように、
プレイヤーに選ばれなかった選択肢や資源は価値が上がるメカニズムは存在するので、
そこをうまくアレンジできると面白いかもしれない。
ただ、計算処理が煩雑となるので難しいところではある。

・イベントカードやイベントスペース
カタンでも拡張版では、サイコロではなくイベントカードの山札を引く要素がある。
カードに出目が描かれており、出目と同じ資源を獲得し、テキストに書かれた内容に従う。
どうしてもダイスの出目上、プレイヤーの期待に合うとき合わない時がデキてしまう。
2D6(2個の6面ダイス)において、2と12の目が「平均よりも多く出てしまう」偏りは稀にある。

アクワイアで考えるのであれば、タイルを置いた後にカードを1枚引き、
テキストに従うといったところであろうか?モノポリーのイベントカードみたいだ。
アイデア次第では、良薬にも劇薬にもなるので、賛否が分かれそうだ。

③ゲーム性の変化 もうアクワイアではないかも…。

テーマがホテルの吸収合併で発生するお金稼ぎに違いは無くても…。

パンデミックのように協力ゲーム(オートマVS参加者)としてのアクワイアも面白いかもしれない。
またはタッグ戦のような2対2も考えられそうだ。

また、非対称の能力付与もバランスを欠きやすい。
初期資金が違えば、取れる選択肢もかなり変わってしまうだろう。

人気作には拡張版やリメイク、追加ルール等がつきものですが、
アクワイアという作品に注目するならば、
やはり追加のホテルチェーンや追加ボードなのだろうと思います。

追加のホテルチェーンはどなたかのブログか記事で見た覚えがありますね。

以降は考察まがいの蛇足ですが、書き留めます。

■私の提案したアレンジ

私自身、コマを作成する技量を持っていなかった。
なので、アレンジはコマや物を追加する方針は取れなかった。
結果、短縮版アクワイアもとい、1人用アクワイアはタイル数とホテルチェーンを減らす方針だった。
原作は9×12=108マスに対して7×7=49マスと本家の終了条件ギリギリだ。
(1つのホテルが41枚以上のタイル)

はっきり言って、大味な部分がある。
ボード上に独立したホテルだけの状態が発生しやすい。
なので、すぐ終わらせることもできてしまう。
短縮版アクワイアは4人で行うと、それはまぁ狭いので勝ち負けの差が大きいときもある。

ただ、個人的な経緯としては、
プレイ時間が短縮される。
   ↓
勝ち負けのサイクルタイムが短くなる。
   ↓
ゲームを楽しむには良いと思った。こんな感じ。
もしくは、現行ルールにおけるタイル引きの公平性をよりよくしたいとか、
プレイヤー間での交渉があっても良いかもと思ったアレンジ
ぐらいしか考えてなかった。

■本家の提案したアレンジ

では…本家はどうかといえば、
2016年版において10×10=100マスのボードで多少、タイル数が減少した。
(2008年版と最新版は9×12=108マス)

私は製作者ではないため、製造過程の制約によるアレンジだったのか、
編集者の意図か、正方形のボードとする理由が何かあったのだろう。

しかし、最新版では戻っているので、担当者の気分だったのかもしれない。違ったらごめんなさい…。
また、本家ではホテル名やランク、デザインの変化はあるものの、
追加のホテルチェーンは意外にも触れられていない。
(バランスが結構シビアなのかもしれない。)

変化があったといえば、第3位までの株主に配当金が出るルール(タイクーンモード)だろう。
単純にゲームの難易度を下げ、よりマイルドにするにはとても良いアイデアに感じる。

このゲームはいかにして手持ち資金を残しながら、株券を購入し続けられるかの勝負だから、
追加資金を獲得できるプレイヤーが増えればゲームプレイ時の全体資金額を増やしたといえる。

手持ち資金が残りやすければ、株券争いも長く続けられる。
ただ、驚くのは株価そのもののインフレはしていないことだ。

低級ホテルの最小購入資金は相変わらず$200だし、ボーナスも$2000だ。
1ランク違いのホテルは条件が同じなら$100しか違わない。

アクワイアの相場を覚えている猛者(古参)がいるくらいなのだから、
その点は変化させていないのかもしれない。
資金投入のアレンジとしてはマイルドだと思うのが個人的な感想だ。

改めて考えると、60年の歳月が経っているというのに大きな変更点はデザインぐらいというのが、
メーカー側のシドサクソンに対する敬意を感じずにはいられないし、完成度が高いのだろう。
残念ながらアメリカでアクワイアが誕生したころの文献は私の力ではまだ見つけられていないため、
数多のアレンジルールがあったかもしれない。
これからもアクワイアが多くの人に遊んでもらえるように、時代に合わせた変化を期待したい。

それではまた次回。 ごきげんよう。

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