アクワイア(ACQUIRE)についての話 その21(本多静六博士から学ぶ)

アクワイア(ACQUIRE)の話 その21_アイキャッチアクワイア(ACQUIRE)

お疲れ様です。 のだじゅらく と申します。
皆さんは本多静六ほんだせいろくという埼玉県出身の林学者をご存じでしょうか?
ウィキペディア

蓄財の神様」と呼ばれ、東京農科大学(現在の東大農学部林学科)の助教授かつ日本初の林学博士だった方です。
日比谷公園、明治神宮といった、国立公園に関わる業績を残されています。

写真はHP「森の活人」より

ちなみに…。

同じ、埼玉県の先輩として新紙幣の顔となる渋沢栄一しぶさわえいいちさんがいますが、
著書である『私の体験社会学』にて、このような記述があります。
「渋沢さんという人はなかなかの理屈屋で、
 理屈に合わぬことはなんとしても取り上げなかった。」
「ところが、いったんこうと引き受けたからには、
 何から何まで親身になってよく世話をつづけられた。」
「理屈は理屈、人情は人情、そうしてこれを結びつけるにあくまでも審議をもって貫かれたことは、渋沢さんのよく大を成された所以ゆえんと私は信じている。」と評しています。
面識があったからこその一面を評価されているのが面白いですね。

特に東京代々木の明治神宮は長年にわたって参拝者数日本一を誇り、新型コロナウィルスの流行前は、年間延べ1000万人も参拝に訪れています。
意外にも歴史は新しく、令和2年(2020年)に鎮座100年の大祭を迎えたばかりなのです。
つまり、神宮の森は大正時代に造られた人工林と考えるとすごいですね。

ここでは「蓄財の神様」と呼ばれているエッセンスをアクワイアに活かしたいと思います。
私自身のアクワイアに対する基本的な戦略に沿う部分がありましたので以下の3つを紹介します。

■4分の1貯蓄法と10割益半分手放し

本多静六博士の有名な投資手法は
①4分の1貯蓄法
(貯金=通常収入×1/4+臨時収入の全て)
②10割益半分手放し
(長期保有における株価の利益が倍になった際は半分売却する)
③2割上げ利食い
(先物取引において利益が元本の2割に相当した分となったら、利益分を利益確定する)
この3つですが、今回、アクワイアに利用できそうな4分の1貯蓄法10割益半分手放しから考えます。

アクワイアにおける4分の1貯蓄法

初期資金:$6,000に対して4分の1となると$1,500ですが、この金額は序盤において大きな意味があります。

私は、序盤を2段階に分けて考えています。
序盤とは、各プレイヤーが初期資金を使い切るまでの期間と考えます。
序盤1:手持ち資金が$1,600以上 とにかく儲かりそうなホテルに注力!
序盤2:$1,500以下となったとき

序盤2となったら、再度、ホテル銘柄の選定のために1ターン待つ選択肢を入れるようにしています。
そして、筆頭の奪取や分散投資、全体の資金が枯渇しかかった際に新規ホテルの買い増しに充てる戦略を考えます。

この部分は感覚なので、説明が難しいのですが…
株の競り合いは8枚以上持つのが望ましいが、5枚ぐらいでも次席を取れる場合が実はあります。
プレイヤーが6人の場合は別ですが、少人数になればなるほど不人気のホテルが出てきます。

初期資金で8枚のホテルを建設ボーナス無しで獲得しようとすると…
$200×8×(低級2種類)+$300×8=$5,600 低級×2,中級×1
低級ホテル2つとも建設ボーナス込みで獲得しようとすると…
$200×7×(低級2種類)+$400×8=$6,000 低級×2,高級×1
中級ホテル2つとも建設ボーナス込みなら…
$300×7×(中級2種類)+$200×8=$5,800 中級×2,低級×1

意外にも初期資金で3つのホテルを8枚ずつ保有しようとするのは限られてきます。
ましてや、ホテル価格の上昇や、序盤の序盤は建てられているホテル数も少ないので、中々に全員が分散して争うことは確率として少ない。

$1,500は中級ホテルの5枚分に相当するので、十分他者から筆頭を奪取しやすくなる算段ができます。
もちろん、ダメな時はダメですが…。
本多静六博士もこんなことをおっしゃっています。

真にやむを得ない。
天下の大変動にあっては、いかなる財閥、個人も耐え得るものではない。
失敗といえば失敗だが、この失敗はここには論外である。
しかし、そうした大変動ばかり心配していては、何事にも手も足も出せない。

『私の財産告白』本多静六著 実業之日本社

1ゲーム中、大体1回は天下の大変動があるものです(笑)

アクワイアにおける10割益半分手放し

私の場合、保有していたホテルが売却されたら、必ず半分は株券を売却するようにしている。
残りは状況に応じて、保有や2:1交換、売却を行っている。

手持ち資金は何よりも序盤中盤必要で、終盤はいかに株券を保有できているかが重要となります。
そのため、手残しのバランスが良いです。
(カルカソンヌにおけるミープルの感覚に近いかもしれない。)

ちなみに、私の考える序盤、中盤、終盤はこうです。

  • 序盤(各プレイヤーが初期資金を使い切るまで
  • 中盤(序盤~独立したホテルが出てくるまで
  • 終盤(中盤~終了条件を達成するまでに1~2ホテル吸収されたら到達する

基本吸収されなかったホテルは最低でも3タイル分は大きくなる。
ホテルの株価は6枚に到達するまでは3段階も金額が上がることとなるので、小さい時の2:1交換の価値は非常に高い。

ホテルが小さい時の2:1交換のメリット3つ

①筆頭株主への布石につながる。 
②保有している株価のさらなる増加の可能性 
 ※大きいホテルはさらに大きくなりやすい
株価そのものが上昇する $200×2枚<$500×1枚 
 ※高級ホテルならホールドのほうが良い場合もある。

ただ、同様に序盤の手持ち資金も非常に価値が高い。

序盤(各プレイヤーが初期資金を使い切るまで)は特に私の中では2:1交換の価値 ≒ 手持ち資金 なので、リスクとリターンのバランスがもどかしい…。

そこで思考力節約のために、必ず半分は株券を売却することを決めています

ちなみに…。(アクワイアとは関係ない話)

※本来の10割益半分手放しは長期保有している株価が倍になったら半分売ることで残りの株はずっと持っていられるよね。という考えなので注意。

裏を返すと、そうなるまでは買ったら売るなとも教えているような気がします。
また、得た利益は他の株投資用資金にするのではなく定期預金に預けていたのもポイントです。
(もちろん後述する銘柄の選定が前提です。)
NISA損切なんてもってのほかだと生きていたらおっしゃるのだろうか…。

四分の一貯金法で普段から倹約生活を送り、半分売却した銘柄はただで持っているようなものなので、そのままにしておく。
長期投資に耐えた好例ですね。
支出を抑えるのはアクワイアでも重要です。
年収1億でも支出が年に1億出ていたら貯まりませんね。

■銘柄の選定(ホテルの将来性があると思えなければ割安でも手を出さない。)

アクワイアにおいて最も重要なのが、ホテルの将来性です。

ホテルの将来性とは?

①当該ホテルは吸収されやすいか?(タイル数、近隣ホテルの有無、手持ちタイル)
②当該ホテルの立地はどこか?(角、辺、中央寄り、中心)
③当該ホテルは購入されているか?(2人以上に購入されている?8枚以上は確保できそうか?)
以上の観点から、他ホテルの関係性、立地、購入の有無を総合して銘柄を選定しましょう。

私の判断基準

1.他のホテルが1マス開けて存在している。
(ただし、当該ホテルが2枚以上大きい場合は除く)
2.立地 中央であればあるほど良いです。
(中心<中央寄り<辺<角)
3.自分を含めた2名以上で購入しており、8枚までは続ければ購入できる。
少なくとも意識して置くだけでも、きっと効果があると思います。

ちなみに…。(アクワイアとは関係ない話)

本多静六博士は…。
林学博士であるだけに、1900年ごろ、山林投資に目を付けました。

木材の運搬に便利な大河川沿いや鉄道に近い森林の価値があがる一方で、
秩父の山(牛馬を使わないと開拓が難しい場所)は価値が下がっていたようです。

鉄道に限らず、林道の整備され、秩父から木材の搬出が整備されると読み、
結果、当時の大財閥である三井や三菱が動き出す前に土地を押さえることができました。

もちろん、運も味方(当時は木材需要が急拡大していた)していましたが、噂で買って、事実で売る。模範的な例と言えるでしょう。
(資産は少なく見積もっても、現在価値にして500億以上にもなったとも‼)

注意点として現在の時勢で投資先をしっかりと選んでいることに注意しましょう。
現代でいうところのAIや物流、介護、葬儀、半導体、IT等。
これから市場規模が大きくなりそうだからと言って、必ず成長するかは神のみぞ知ることです。
自分の大切なお金をどこに投資するかはしっかりと吟味しましょう!
外れたからと言って、誰かのせいにしてはいけません!

■時節を待つ(好景気には倹約貯蓄を。不景気時代には思い切った投資を。)

アクワイアにおける好景気と不景気とは?

・好景気
①手持ち資金が潤沢にある。
②他プレイヤーが高リスクのホテルを買いあさる。
③ホテルが吸収され、プレイヤーにお金が戻ってきたとき。

・不景気
①手持ち資金が無い。(タイルを引いて置くだけ)
②他プレイヤーが低リスクのホテルしか購入しない。
③ホテルが7つ全て出ているのに一向に吸収の動きがない。

アクワイアではゲーム開始直後はまさに好景気ですが、資金がショートし始めると瞬く間に不景気になります。
人の道行く裏に…勝機はあるのかもしれませんね。

私の判断基準

好景気なら、1つのホテルを8枚まで確保。$1500ほどなるべく残し、待ちの姿勢
不景気なら、残していたお金を使い、次席以上になれる場所を抑えに行く。

ホテルの競り合いで必ず勝利を収めようと思う人は、何時も、静かに景気の循環を洞察して、
好景気時代には勤倹貯蓄を、不景気時代には思い切った投資を、時期を逸せず、巧みに繰り返すように私はおすすめします。

ちなみに…。(アクワイアとは関係ない話)

本多静六博士は…。
4分の1天引き貯金法を種銭に、貯蓄から投資へと乗り出し、自分自身の得意な分野で勝負することで巨万の富を手に入れました。

そして、東京帝国大学退職時には、なんと、自身が生活できる分を残し、
資産のほとんどを埼玉県の育英資金創設に寄付してしまうのです!

そんなすごいお方が、時節を待つことを語りかけています。

「世の中には、濡れ手で粟を掴むような旨いことが
そうザラにあるわけのものではない。」
「手ッ取り早く成功せんとする人はまた手ッ取り早く失敗する人である。」

『人生計画の立て方』本多静六著 実業之日本社

この世に一秒でも遅く金持ちになりたい人はいないよね?
でも、それで焦ってしまうのはよくないよ。と優しく教えてくれているようですね。

おわりに

最後に、本多静六博士の著書『私の財産告白』の自序の一文を紹介します。

財産や金銭についての真実は、
世渡りの真実を語るに必要欠くべからざるもので、
最も大切なこの点をぼんやり・・・・させておいて、
いわゆる処世の要訣を説こうとするなぞは、
およそ矛盾もはなはだしい。

『私の財産告白』本多静六著 実業之日本社

むむむ。ならば私自身の攻略法もオープンにしなければ、失礼というもの…。
ということで、私がアクワイアのプレイ中に心掛けていることを本多静六博士の要素から書きました。

アクワイアはあくまで娯楽ですが、娯楽の中にも財産や金銭に活きる発見があるものです。
まだまだ、これからも世界は色々ありそうですが、
アクワイアを夢と希望をもって遊びたいものです。

それでは、また次回。 ごきげんよう。

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