お疲れ様です。
自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
アクワイアのアレンジを楽しもう!
ボードゲーム:アクワイア(ACQUIRE)に新たな楽しみを提供したい。
何か良いメカニズムはないものか…。
株券…金融商品…ポートフォリオ…セットコレクション…そうだ!
ボードゲームのメカニズム:セットコレクションからアクワイア:ポートフォリオを考案しました!
非公式ですが、アクワイア(ACQUIRE)の新たなヴァリアントルールとしてお楽しみください。
データも無料配布いたしますので、A4の紙に印刷してお楽しみください!
セットコレクションとは?
セットコレクションとは、手に入れられるカード(またはアイテム)などの「組み合わせ」を達成することで、特殊効果や追加ポイントが得られるシステムを指します。麻雀やポーカーでいう「役」は、ボードゲーム用語に置き換えるとセットコレクションとなります。
<Set Collection>ボードゲーマより抜粋。
前面と背面の間に使わないカードを入れておくと遊びやすいよ。
新版で遊べますので持っていない方は是非購入してくださいね!
アクワイア(ACQUIRE):ポートフォリオ ルール
導入
あなたは有名な投資家からホテル運用の腕を評価されました。
有望なポートフォリオを提案することができれば、彼から追加資金を獲得(ACQUIRE)することができます。
しかし、有望なホテル株は競争相手も多いです。
さて、あなたは上手く勝ち取ることができるでしょうか?
ゲームの準備
このアレンジは株券公開ルールで行ってください。
机に場所が無いならば、他プレイヤーから聞かれた場合は素直に報告してください。
プレイ人数に対して+1枚ボード横に全員が見えるように置いてください。
3人プレイなら、写真のように4枚となります。
ゲームの流れと手番
自分の手番始めに宣言してポートフォリオカードを(ACQUIRE)獲得。
記載されたボーナスを受け取ります。
その後、山札からカードを補充してください。
※手番始めはゲーム終了の宣言や建物コマを置く前です。
また、カードの獲得は1度に1枚までです。
山札がなくなるまではプレイ人数に対して+1枚を場に出すようにしてください。
他ルールは通常のアクワイア(ACQUIRE)と一緒です。
カードに関するルールは下に続きます。
ポートフォリオカードの一覧表とカードの見方
カード右上にある<併用可>があれば複数獲得可能。
ただし、<併用不可>は他のカードを取得することは不可能です。
<併用可>の◆ハグル◆と◆バザール◆を持つことはできます。
<併用不可>の◆アイム・ザ・ボス◆を狙うのであれば、他のカードを持つことはできません。
逆に、◆アイム・ザ・ボス◆を獲得したらもうポートフォリオカードは獲得できません。
同様に<併用可>の◆ハグル◆を持った後、<併用不可>の◆アイム・ザ・ボス◆は狙えません。
<併用可>の◆バザール◆は狙えます。
<併用可>のカードだけです。
<併用不可>の◆アイム・ザ・ボス◆と☆ファイブスター☆の両方も獲得できません。
他のポートフォリオカードを獲得していない状態でどちらか片方だけです。
場に<併用不可>しか出ていないなら、場が動くことのを待ちましょう。
4人プレイ以上なら確実に<併用可>は場に出るので安心してください。
戦略としては2つあります。
<併用不可>のカード1枚に絞って狙うか、<併用可>を複数獲得するかを目指しましょう。
どちらにせよ、あまり惑わされてはいけません。
吸収合併のボーナスの方がお得です。
ですが、たった一人で資金が増えるのは非常に魅力的です。
フローチャートのPDF
参考ですが、アクワイア(ACQUIRE)のフローチャートを用意しました。正直デザインより時間かかったな。
このルールのポイント
このアクワイア(ACQUIRE)において唯一の資金獲得方法だった吸収合併時以外でお金を得ることができます。(しかも、たった一人で!)
コンセプト(長文なので飛ばして大丈夫です。)
経緯としては、株券を買いあさる目的を増やしたかった。
高級や低級のランクを選ぶ目的はあれど、サクソンじゃないといけない理由は無かった。
また、吸収合併以外での資金獲得方法を追加して、新規ホテルを建てる際の目安を用意したかった。
新規ホテルの銘柄をなんとなく選ぶのではなく、カードの偏り(利益差があるホテル)による明確な駆け引きを用意したかった。
個人的に「宝石の煌めき」や「センチュリー:ゴーレム」が好きなのでアクワイアに<セットコレクション>を組み込みたかった。
「テラフォーミングマーズ」の褒章(アワード)のように、カードの獲得に1手番を消費するのも考えたが、建物タイルが置かれないと他プレイヤーのゲーム進行にも影響するので廃止。
結果、ゲームの流れにはほぼ影響がない。これでよいと思う。
アクワイアにおいて最初の吸収合併に参加できるかどうかでゲームの難易度は大きく変わる。
資金力がそのまま強さとなるゲームなので、ヴァリアントルール「ポートフォリオ」は補助的な立ち位置を目指している。
そのため、一部を除いて初期資金内で収まるようにしているのは資金枯渇を緩和する意図がある。
(それでも序盤の$1,000はとても貴重なのだ。)
故に、ポートフォリオカードに固執して株券を保持し続けるのは非常に悪手である。
吸収合併のボーナスと株券売却のパワーよりは弱い。(配当金は最低でも$500は貰えるからだ。)
しかし、自手番の初めに資金が手に入るのは悩ましいはずだ。
一覧表を見ると、最低購入金額に対してボーナスが釣り合っていないカードがいくつかある。
これは購入の過程に対するリスクを加味した結果だ。
低級ホテルの方が1ターンにかかる費用は当然少ないので、計画を練り直す際のダメージが少ない。
役の◆アクワイア◆は14枚に対して$1,600とお得に見えるが、実際7つのホテルがそろうのは意外と時間がかかる。決して、七対子だから1600点とかではない。決して。
◆キャント・ストップ◆はとにかく何でもいいから21枚手に入れるだけと侮ってはいけない。
初期資金で購入しようとすると大半が低級ホテルで買わなければ達成できない。
正直な話、順調に吸収合併の配当金がもらえていれば「ポートフォリオ」を後回しにしても全く問題ない。<併用不可>を後で取るのも良いだろう。☆ファイブスター☆を取れたら最高だ。
多少の運次第だが、<併用可>のカードを上手く渡り歩いてくれれば面白い。
<併用不可>のカードを獲得(ACQUIRE)したのちに本筋(配当金争い)に専念するのも良い。
中盤で2:1交換で追い上げるのも見てみたいものだ。
フローチャートで示しているが、ゲーム終了宣言前にもポートフォリオカードを獲得できる。
これで逆転できたらドラマチックだろう。
他の役から◆ハグル◆や◆キャント・ストップ◆は自由度が高いので王道戦略となりうる。
とにかく低級ホテルを集めて◆フォーカス◆(7+7=14枚)から◆キャント・ストップ◆(合計21枚)のシドサクソンorビッグタワーorサクソンワールドまで持っていくのも良いだろう。
当然ながら、場に無ければ机上の空論に過ぎない。机上にもないわけだが…。
カード名にはいくつか、シドサクソンの有名なボードゲームの名を冠している(◆付き)。
金融商品(証券会社が響きで付けたような胡散臭い名前 悪意はないです。)として、意外としっくり来ていると我ながら思う。
アメリカ発ながら、ユーロゲームの礎を作り上げたシドサクソンの他作品にもぜひ興味を持っていただきたい。
中でも◆ハグル◆は昨今の謎解きゲームやレガシーゲームのように同じメンバーでは1度しか体験できない面白さが短時間につまっている。
主催者側の準備は非常に面倒くさいが…TRPGのGM経験者なら、主催者側の面白さは理解できるはずだ。もちろんプレイヤーとして参加できた人も幸運だ。
面白さ(ゲーム性)には、かけひき=リスクとリターンが関係する。
(参考 ゲームクリエイター:桜井政博さんのゲーム作るには)
・かけひき=リスクを冒してリターンを得る。
・リスク:狙っているホテルの値段が釣り上げられたり、競争によって手に入らない。
結果として非効率な投資をしてしまうリスク。
・リターン:吸収合併が起こらずとも、資金をただ一人で受け取れるリターン。
(他者を出し抜いて利益を得られる権利)
ポートフォリオルールは最低14枚でボーナスを獲得できる。
これはゲーム開始の4~5ターン後には獲得者(Acquirer)が出る計算となっている。
大抵、7~8ターン程度で資金ショートが起き始めるので、この辺が良いと思う。
2種のホテルを1人が建てる可能性は十分あるが、吸収合併の起こる場所かどうかは別の問題。
その銘柄に資金拘束されるのはデメリットになりうる。
他者による妨害や過度に目立つ理由となりえる。
元のゲーム性(リスクとリターン)が「建物コマの引き運」にある程度依存しているので気にすることはない。
「株の競り合い」と「運」がメインでなければ、「アクワイア(ACQUIRE)」ではない。(過激派)
タイクーンモードは資金流入を増やし、ゲーム性を下げ、一般性を上げた好例だと私は思う。
ポートフォリオルールは、タイクーンモードよりはゲーム性は高い。
ゲーム性はクラシック> ポートフォリオ >タイクーンの順番だと思う。
もちろん、タイクーンモードと組み合わせてよりマイルドかつアッパーなアレンジも面白いだろう。
個人的には現金だろうが外貨、不動産、債券、現物、人的資本だろうが、無くなるリスクは必ずある。
そしてもちろん増えるリターンもある。
いくつかに分散して、無くなったらしょうがないぐらいのリスク許容度で行うべきだ。
勝負とは、1歩前進するときに、直ちに1歩引くことを思えるからリスクを冒せるのだ。
(先ず手を放つを図らば、纔かに虎に騎るの危きを脱せん。:菜根譚 後集29)
慣れたプレイヤー同士であると、株式の非公開ルールで遊んでしまいがち。
株式の公開ルールとすることで、また違った面白さを提供したい。
私はゲーム屋ではないがアレンジを作るのは楽しかった。
皆さんにも是非アクワイアを楽しんでもらえればと思う。まぁ、遊ばれないのもまた一興である。
嘘、本当は遊んでもらって意見が欲しい。
自称:アクワイア研究家 のだじゅらく
ではまた次回。ごきげんよう。
感想やコメントがありましたら教えてください。
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