アクワイア(ACQUIRE) No.29 菜根譚に学ぶ-3選-

アクワイア(ACQUIRE)の話 その29_アイキャッチアクワイア(ACQUIRE)

お疲れ様です。 アクワイア自称研究家:のだじゅらく と申します。

とにかくアクワイア(ACQUIRE)で勝ちたい。
いや、少なくとも負けたくない。

今回は現代社会に必須な処世訓しょせいくんの書物
菜根譚さいこんたん」から3つ取り上げたいと思います。
交渉や多数のプレイヤー間で競い合うボードゲームにも応用できます。

そもそも、菜根譚とは?

タイトル名に「菜根」が入っているので勘違いしやすいですが、儒教、仏教、道教をミックスした処世訓しょせいくん(ちょうどよい人づきあいの方法や生き方の極意)をまとめた古典です。
また、人によって違った解釈を受けとりやすいのも特徴です。
裏を返すと、他の自己啓発書よりも身近に感じやすい印象です。

日本では一部の人(田中角栄、吉川英治等)に座右の書として愛されていました。

ちなみに「菜根」は粗末な食事を意味しており、粗末な食事の中にも噛み続ければ、味わいが出ることを伝えようとしてます。「人はよく菜根を咬みえば、すなわち百事をなすべし」という故事に由来しています。

作者は中国の明時代末期にいたとされる洪自誠こうじせいと呼ばれる方です。
古典といっても比較的新しい明の時代です。
ちょうど日本でいう戦国時代の豊臣から徳川に政権が移動するころです。

明の末期は皇帝も皇帝なら、官僚も官僚で、肝心の政治をそっちのけで政党争いに明け暮れ、奢侈しゃし(必要な程度や身分を越えた贅沢にふける)にふけって財政を傾けて、国の衰退に悪い意味で貢献していました。政治の混乱はいつの時代もあまり変わらないのかもしれませんね。

そんな時代にいたとされる洪自誠こうじせいは優秀な官僚として活躍したのちに、上記のような政争に巻き込まれて引退し、山林に隠遁いんとんして儒教、仏教、道教の研究に努める日々の中で「菜根譚さいこんたん」を著したと言われています。なんというか苦しいことを経験したような文言が端々に見られます。

アクワイアで活きる教え -3選-

敗後には、或いは返りて功を成す。故に払心の処は、便く手を放つことなかれ。

(意訳)上手くいかない時の後には反転してそこからうまく進む時がやってくる。
なので、望みが叶わないからと安易に途中で諦めてしまうことが無いように。(前集 10-2)

敗後はいご」とは物事が最もうまくいかないときを意味しています。
アクワイア(ACQUIRE)という盤上遊戯は基本的に目当てのタイルがあっても必ず勝てるわけではありません。正直な話、上手くいかないことの方が多いです。

ゲーム全般に言えることですが、気持ちの持ち方で打開策を見いだせる場合はあります。
ですが、全てを諦めてしまえば勝率は0%です。

勘違いしないでほしいのですが、何かを活かすために何かを損切りすることとは違います。
これはまだ勝ちをあきらめていません。

この言葉の良いところは、上手くいかなくても、やけくそにならず、とりあえず静かに待てばよいと解釈もできる所です。

歩を進むる処に、便ち歩を退くるを思わば、庶んど藩に触るるの禍を免れん。

(意訳) 1歩進むときに、1歩引くことを思えば、まがき(垣根)に突っ込むような災難を免れられる。
(後集 29)

文章には続きがあって、その考えがあって虎の背に乗るような危険を脱するだろう。
虎から降りたら食い殺されかねないので、降りられないまま突き進むことになると書かれています。

金融投資やマネーゲームにおいて、「行け行け」の思考しかないといったんその勝負に乗ったら降りることができなくなります。
そんな窮地にならないためには始める前に終わらせ方を考えておきましょう。
アクワイア(ACQUIRE)であろうが現実であろうが、買う時より売る時の方が難しいのです。

俗にいう「リスク許容度」をしっかりと把握して資金ショートに備えましょう。

経営者が新事業を立ち上げる際に撤退の条件や方法を考えておくというのは必要です。
なんとなくですが、洪自誠こうじせいの実体験だったのではないかと思います。

世に処するには一歩を譲るを高しとなす。歩を退くるはすなわち歩を進むるの張本なり。

(意訳)人に一歩譲る心がけを忘れてはならない。1歩引くことが1歩進むための前提となる。
(前集 17)

電車の乗り降りでもそうですが、人が殺到すると身動きが取れません。
「お先にどうぞ」とすることで自分もスムーズに進めます。

アクワイア(ACQUIRE)においては筆頭を狙うのではなく次席を狙いましょう。
筆頭ほどに目立つこともなく、配当金を最低の労力で受け取りやすくなります。
最低保証の8枚買いです。

そして何よりも、相手に譲るということは「無防備な相手の背後をとれる」ということです。
解釈の仕方によっては、中々の切れ味を持つ言葉です。

まとめ

今回は菜根譚の言葉からアクワイア(ACQUIRE)攻略に活かせるものをピックアップしました。

菜根譚は前集だけでも225条もあります。
今回取り上げた内容はほんの一部にすぎません。
ネット上でも簡単に調べられます。:菜根譚ガイド

逆境をのりきる知恵、真の幸福とは何か、人との付き合い方、自分の器を磨く方法など。
どのような生き方をしてきた方にも響く言葉があると思います。
是非とも、一度手に取っていただけると良いです。

混沌とした時代だからこそ。自身の心だけは少なくとも穏やかでありたいものです。

ではまた次回。ごきげんよう。

待つことが収穫につながるかも!

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