お疲れ様です。自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
とにかくアクワイアで勝ちたい。
いや、少なくとも負けたくない。
今回は武経七書の1つ「尉繚子」(うつりょうし)から、アクワイアに活かせるものを取り上げたいと思います。
戦略や戦術があらゆる選択で有利になりますように…。
また、今回の記述内容は戦争の存在を否定や容認、利用する内容ではないことを改めてお伝えします。
「尉繚子」(うつりょうし)とは?
この本の設定上では尉繚という人物が、魏の3代目恵王と会い、富国強兵の策を説く話になっています。魏…。何やら聞き覚えのある国名ですね。
別称で梁(りょう)の国:紀元前369年~319年ぐらいのお話です。
実は尉繚は2人いてどちらも魏にゆかりのある人物ですが…本題からそれるのでこのくらいで。
原題に残っている「尉繚子」は全部で24篇から構成されています。
前半12篇 後半12篇で大きく分けることができます。
前半は政治、経済、兵法とマクロに 後半は軍の編成、管理、統制とミクロに問題を取り上げています。
毎度「孫子」と比べてしまいますが、前半部分は特に匹敵する部分が多く、現代でも生きる内容が散見されます。
当時の時代で考えると驚きですが…。
1.戦いはあくまで人事を尽くしてこそ活路がある。天文や占い、神頼みは論外である。
2.戦いを始めたら感情に任せるのではなく、利がないと見たら速やかに収束させよ。
3.必ず勝つ算段が無いなら軽々しく開戦するな。怪我勝ち(ラッキー)を期待するな。
ここでいう天文は天象異変から吉凶を判断する占い的な技術を指しています。
鎌倉時代でも国家事業とされていた祈祷ですが、
紀元前から不確定要素に期待するな。
徹底的に排除して人事を尽くせ。と言い切るのは非常に驚きです。
さて、本題に移りましょう。
アクワイアで活きる「尉繚子」(うつりょうし)の教え -3選-
天官(てんかん)の時日(じじつ)は人事(じんじ)に若(し)かざるなり(天官篇)
意味:いくら天文で占ったところで、人事(人間が行うこと)を尽くすことには及ばない。
「尉繚子」の思想を言葉にした代表的な文言です。
魏の3代目恵王が「昔の王が百戦百勝したのは勝ち負けを占って取捨選択したからと言われているが本当だろうか?」と尋ねた際。
尉繚は「いえ。違います。あくまで、人事を尽くしただけです。」と断言しています。
打つべき手は打ち、なすべき努力をなした。神頼みよりも知恵を。
運も所詮はより良い状況を作り出した結果に過ぎない。
なんとも合理的な思考で評価しています。
アクワイア(ACQUIRE)では、タイル運に関しては私は常日頃から良いタイルが来るように願っています。
ですが、「尉繚子」から言わせると人事を本当に尽くしたのか?と問われているようです。
これもある意味人事を尽くした結果かもしれません。
勝(しょう)を見れば則ち興(た)ち、勝(しょう)をみざれば則ち止(や)む(兵談篇)
意味:勝算があると見極めたら戦い、勝算が無ければ退く心構えが肝要である。
前提に「兵の起こるは、忿りを以ってすべきに非ず。」
つまり、感情に任せて突っ走ることは慎まなければならないとあります。
本当に蛇足で個人的な思想強めの意見…。
株式において、保有している株が暴落(暴騰)し、感情に身を任せて売り買いをする。
SNSに「新NISAで大損」など投稿して不満をぶつけたりする。
情報発信者に踊らされ、見なければよいのに見て心を乱し、広告収入の養分となる。
長期投資家のつもりでいたが、化けの皮が剥がれてトレーダーになる。
急に経済ニュースに一喜一憂して、毎日、相場を見ないと気が済まない。
ただこれは、私もそうですが、投資や投機をしてみないと自分が持つお金の器が見えないものだから難しいです。
人の感情は使い方を誤れば、一瞬で人を狂わせ、傷つける力があります。
これは全体(マクロ)で見た教えです。
さて、「呉子」でも似た表現がありましたね。
「可を見て進み、難きを知りて退く。」
こちらは具体的な敵の状態で進退を説いています。
事実かつ細部(ミクロ)に基づいた教えでした。
アクワイア(ACQUIRE)においては「残り17、競いに難し。」「残り知らずに株買うな。」「売るべし。買うべし。休むべし。」
これらが該当します。
アクワイア(ACQUIRE)はまさに、事実と感情を制してこそ見込みが立つのです。
これらに共通しているのは、「見込みのないケンカはするな」ということです。
兵(へい)は先(せん)を貴(たっと)ぶ(戦権篇)
意味:勝負では先手をとって主導権をあることは何よりも重視される。
逆に主導権を失えば、不利を免れないと続きます。
アクワイア(ACQUIRE)において、ホテルの建設ボーナスは他プレイヤーの1手先を行ける方法です。
無料で$200~400を得ているのと同じですから積極的に狙いましょう。
逆に、相手に建てられないためには、不用意に空きタイルを置いてはいけません。
「空きタイル置くな。新ホテルが来るぞ。」です。
「先んずれば人を制す」はカードゲームでいう「アグロ」(小コストのカードで早期決着を狙う)に近いですね。
ただし、カードゲームと違い、ホテルの立地によっては先手を取っても結果が出るのはだいぶ後になることもあります。
アクワイア(ACQUIRE)では主導権は大事ですが、総合力でも判断しましょう。
アクワイア(ACQUIRE)は「待ち」のボードゲームです。
まとめ
今回は「尉繚子」から3選挙げました。
運も所詮はより良い状況を作り出した結果に過ぎない。
感情に身を任せて行動してはならない。
相手に主導権を握らせない手を打つ。
感情をいかに抑え、律するか。この難しさが人間の常であるように感じます。
今回、はっきり言えば24篇ある内のさわりしか紹介していません。
(武議編)(治本篇)(兵教上篇)(兵令上篇)など興味深いです。
興味があればぜひ読んでいただきたい書物です。
時代に合わない部分も当然ながらいくつかありますが…。
現代の政治家や社長、管理者、国民。
どの立場にも響く教えが大量につまっています。
ではまた次回。ごきげんよう。
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