お疲れ様です。 自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
とにかくアクワイアで勝ちたい。
いや、少なくとも負けたくない。
今回は武経七書の1つ「李衛公問対」から、アクワイアに活かせるものを取り上げたいと思います。
戦略や戦術があらゆる選択で有利になりますように…。
また、今回の記述内容は戦争の存在を否定や容認、利用する内容ではないことを改めてお伝えします。
「李衛公問対」(りえいこうもんたい)とは?
こちらは武経七書の中では最も新しい兵法書となります。
新しいといっても、唐の時代~宋の時代に書かれたものとされています。
別名を「唐太宗李衛公問対」略称を「唐李問対」と呼ばれています。
「問対」は「問答」と同じ。まさに問いに答える。
何に?唐の太宗と重臣の李衛公が登場し、兵法問答(談義)をする設定となってます。
それが「唐太宗李衛公問対」=「李衛公問対」というわけです。
「李衛公問対」は上中下の3巻で構成されていますが、全て唐の太宗と重臣の李衛公の問答集です。
戦略戦術はもちろんのこと、教育訓練や歴史上の人物評等と多岐に分かれます。
他の兵法書に見られない部分として、
1.「孫子」「呉子」「司馬法」「尉繚子」等の名言を引用し吟味している点。
2.実戦例や歴史上の有名な戦いの勝因や敗因を分析している点。
3.太公望、孫武、張良、韓信、曹操、諸葛亮等の人物を評価している点。
解説書、注釈書として非常に読む価値のある兵法書と言えます。
一部納得しがたい評価もあるかもしれませんが、他人の思想や評価とはそんなものです。
尊重できてこそ、学ぶ面白さがあるというものです。
さて、本題に移りましょう。
なお、先に謝りますが、アクワイアの攻略情報を直接話すことはほぼありません。えぇ…。
アクワイアで活きる? 李衛公問対(りえいこうもんたい)の教え -3選-
「奇正」とは何か?(上の巻)
上の巻では「奇正」の話題が中心です。
「奇正」は古代中国の兵法用語で最初に取り上げたのは「孫子」です。
「およそ戦いは正を以って合いし、奇を以って勝つ」と。
じゃあ、その「奇」と「正」はなんなのさ。というのが取り上げられています。
具体例として「孫子」だけじゃなく曹操や諸葛亮が出てきたり、八陣、八行の陣は元々1つの陣形を便宜上8つに分けただけに過ぎないと種明かししたり、そもそも相手の方が無策だったから勝っただけで「奇」と「正」を論ずる以前の問題じゃないかと議論が進みます。
「司馬法」の記述にある狩りは単なる遊びではなく、軍事演習も兼ねているから平時でも軍事をおろそかにしていないために必要なんだ。とか脱線する感じも面白いです。
いつの時代も議論は娯楽の1つですね。
「奇正」のまとめ
結論を言うと、
1.勝負は「正」から「奇」に「奇」から「正」変化する。
2.「奇」と「正」は状況において変化する。
3.勝つべきものが勝つ。
え~って感じですかね?
「奇正」そのものは水のように定まらない。
集中と分散だったり、正規軍と奇襲部隊だったり、前進と後退、表拍と裏拍、粗と密。陰と陽。
安定と不安定。士気や勢いが肝要。などイデア論(実世界は理念という本質に基づいて存在している。)になった感じです。
ただ、状況を整理すると勝つべきものが勝つにはどこかしらに理由はあるという話です。
ただ、大抵の勝負事は「奇正」が変化するして決まると。
アクワイア(ACQUIRE)でいう「奇正」…。なんでしょうね?
タイルの配置、手持ち資金、吸収合併、資産の状態、自身や相手の心理状態…う~ん。
自身が期待している答えとは違う位置に本当の答えが、いやそもそも本当の答えを決めることが間違いではないのか…?
諦めたくはありませんが、一瞬だけ勝負事の「真理」を垣間見たような気がします。
決めきれないことを真実として認める。
不射の射(的を撃たずに落とす)とは少し違うでしょうか?
ちなみに上の巻の最後には…現代風にいうと海外の子会社は現地人を責任者に抜擢せよ。
ただし、安心して任せれる者で本社の方針や手腕を十分に学ばせること。
と挙げています。あれ~?
主導権を握るとは何か?(中の巻)
主導権を持てば、敵を振り回せるので勝率は高い。
これが戦局を左右することは間違いないと始まります。
「虚実」(手薄と充実)を把握して「奇正」を操ることにつながるから主導権は重要だと。
また、ベテランが少なくなり、新人ばかりで実戦経験に乏しい。
鍛え上げるためにはどうすればよいのか?という議論では…。
1.普段からの教育訓練が欠かせない。
2.小部隊から徐々に大部隊に拡大する。
3.これで効率よく基本を叩きこみ、大将が兵士を見て奇兵と正兵に選り分ける。
4.えこひいきは一切なく賞罰を明らかにする。
これが主導権を握るための布石につながるとの事です。
目線が国家なので、かなり先の長い話です。
企業、雇われ経営者や管理職の場合は3~5年単位もないと実行に移せない気がします。
ただでさえ、高速化し、生産性(笑)が求められる時代ではリスクが高いでしょう。
陣形にも触れていて、共通項目は2点。
1.守りが固く、容易には突き崩されないこと
2.状況に応じて柔軟に変化し対応できること
説明の際に登場する陣形は外に方陣。内に円陣を敷く。
6つの花に見えることから「六花の陣」。カッコいい!
勢いと瞬発力が陣形の目的であり、戦上手の戦い方だと論じています。
攻めづらく、自分の挙動に素早く対応される対戦相手は嫌ですよね?
迷信や占いに頼るのは愚かながらも使い方によって一定の効果がある。(下の巻)
様々な策を講じて敵の誤りを引き出すことが要諦だと論じています。
初めからそれを期待するのは論外だが、プロ同士は1手のミスが勝敗を分けます。
占いや呪いには金目当ての者や愚か者を使いこなすのに有効であると「兵は詭道なり」を引用して説いています。
毛嫌いするのではなく、兵士の鼓舞にも使えると説いています。したたかですね。
相手だけでなく、見方、自分の感情を上手く操れれば、力や勢いを作ることができます。
相手のリズムを崩して、自分のリズムを整える。
こちらが戦いを望まないとき、敵に戦うことができないように仕向けよ。
有利な餌をばら撒く、敵の目標をそらしてしまうのが必要だと説いています。
戦いを望まないのは勝算がない時や準備ができていないときです。
戦いを避ける方法を駆け引きで作り出しましょう。
引き際も肝心である。
張良は劉邦に仕えた名軍師であるが、最高位の大将軍に任命されたとたん、あっさりと辞任して政治の世界から足を洗っています。
こんな生き方は道を会得していなければできるものではないと李衛公は評価しています。
自分の感情や「奇正」を知らなければ、出来ない選択です。
まとめ
今回は「李衛公問対」から3選挙げました。
戦いは「奇正」を制したものが勝つ。
主導権を握り、「虚実」を把握して勝率を上げる。
勝率を上げる詭道の幅は私たちが思っている以上に広い。
今回は直接的にアクワイアへの応用について話しませんでした。
李衛公問対は他の武経七書と異なり、読み物としても面白いのでこのような形をとりました。
この表現が正しいかはわかりませんが、まるでネット掲示板での議論みたい。
新しいだけあって議論の面白さが随所に散見されます。
彼らにとっても過去の英雄たちの議論はワクワクしたのでしょう。
え?人物評価はどうだったのかって?
張良以外にも高く評価されている人物がいますが、ここではお話しません(笑)
折角ですから、たまには図書館にでも行って読んでみてはいかがでしょうか?
書籍が多くないので探すのに苦労しますが、それも楽しむ気概で行きましょう。
〇〇〇万円稼いだ方法を〇万円で獲得する方法には気を付けよう!なぜ引っ掛かるのか?
「時代遅れ」も使い方によって一定の効果があるからです!
ではまた次回。ごきげんよう。
コメント