お疲れ様です。自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
とにかくアクワイアで勝ちたい。
いや、少なくとも負けたくない。
今回は武経七書の1つ「六韜」(りくとう)から、アクワイアに活かせる?ものを取り上げたいと思います。
戦略や戦術があらゆる選択で有利になりますように…。
また、今回の記述内容は戦争の存在を否定や容認、利用する内容ではないことを改めてお伝えします。
「六韜」(りくとう)とは?
文韜、武韜、竜韜、虎韜、豹韜、犬韜の6巻で構成された太公望ゆかりの兵法書です。
ちなみに韜は武器をしまう袋を意味しています。
ひと昔前の結婚式のあいさつで「3つの袋が~」みたいなのをイメージすると良いでしょう。
さすがに違うか。
作者は太公望…というわけではなく作者は不詳です。
太公望は3千年以上前に登場した伝説の軍師。
3千年以上も前の時代では個人で大量の記録を残すのは非常に難しいです。
紙はもちろんのこと、木簡、竹簡や石碑に残せたとしてもここまで記録が残ることは不可能といってよいでしょう。
ちなみに太公望は称号で「太公(周の文王)が待ち望んでいた人物」という意味です。
さて、話の構成は全巻を通じて周の文王、後継者の武王そして太公望の問答で、太公望が兵法のうんちくを傾ける形式をとっています。
「李衛公問対」の形式に近いですが、あちらはプロ同士の議論形式です。
「六韜」は雑にいえば、大会社の社長が超有能コンサルタントに教えてもらっているととらえましょう(笑)
「六韜」(りくとう)はリーダーの必読書
現代においてリーダーというのは組織をまとめる存在。
大きいものでは国家や政府、国をまたぐ企業や組織、会社の管理職や経営陣
小さなものではクラス会や町内会、マンションの自治会、サークル、ボードゲームやTRPGの卓(GM)、たった1人の後輩…と。
あらゆる物事やイベントには主導する人が必要になります。
個々が情報発信できる現代社会では、少なからず関わらなければなりません。
得手不得手はあるでしょうが、リーダーシップが必要であることを知るのは重要です。
「六韜」は「三国志」の時代(西暦222年頃)ではすでにリーダーのための自己啓発書といっても過言ではありません。
エピソードとして、蜀の劉備、呉の呂蒙が「六韜」を勧めています。
これは内容が優れており、いつの時代でも参考になるのが魅力です。
現代でも利用できる点は多いのですが、あまり話に上がりません。
非常に残念ですが、間違いなく知る人ぞ知る…優れた名作です。そう、アクワイアのようにね。
さて、本題に移りましょう。
ゲーム会で活きる「六韜」の教え
「君子はその志を得るを楽しみ、小人はその事を得るを楽しむ。」(文韜の巻:文師篇)
意味:リーダーの楽しみは志を実現すること。受け手や参加者の楽しみは物やコトを手に入れること。
「六韜」の始まりは周の文王が太公望と出会う有名なくだりから始まります。
太公望の称号を受ける前の人物の名は呂尚。
彼が釣りをしているところに文王が出会い、語りあったのちに師(太公望)として迎える場面です。
釣りは君子の楽しみに似ていると太公望は言います。
釣りは単に魚を捕まえる行為だが、そこには深い道理があり政治の在り方まで見通すことができると。
水源から魚は産まれ、成長するのが道理。
君子が密接に協力してこそ天下の大事を成し遂げることができるのだと。
どんなに人を集めてもその心をつかまなければ必ず逃げられる。
徳(思いやりや信念)は光となって遠くまでおよび、知らない間に人を惹きつけるのだと話は続いていきます。
文王はどうすれば人々の心をとらえて天下を治めることができるか?と聞くと太公望はこう答えます。
「天下は君主だけのものではなく、万民のものである利益を共有しようとすれば手中に収めることができる。」
「独り占めにすれば天下を失う。土地や権利は財を産むが万民と分ち合うことが仁。」
「困っている人や苦しんでいる人、悩んでいる人を救うのが徳。」
「つまり、人々に生と利を保証してやることが『道』に他ならない。」
「『道』に則った政治を行えば、おのずと天下を治めることができる。」
話のつかみがここから始まるのですから、名著となるのも無理はありません。
本当に蛇足で個人的な思想強めの意見…。
数年で替わる管理職や上場企業の雇われ顧問、政治家ではこの思考にたどり着くのは難しいでしょう。
残念なことに、長期政権、長い長い在籍期間の政治家や指導者でも難しいようですが‥。
皆、君子ではなく小人なのです。魚が魚を釣ろうとしているのだから仕方のないことです。
この次に賢君の政治の話が出るのですが、「自らの生活を質素にすることから始まる。」
「トップが質素なら税金の取り立てが少なくすみ、民の生活に余裕が出る。」
「その上に立って、適材適所の人材登用を心掛け、恵まれない人々にも救済の手を差し伸べられる。」
と説いています。
ただ、我々も『小人』である以上は身の丈に合った生活をしなければなりません。
小さい魚は小さい釣り針と餌。大きい魚はそれなりの餌(小魚や臭いの強い餌)でかかります。
身の丈に合わない収入や出費は慎みましょう。
自身のお金の器を知らないから、短期の値動きに狼狽してしまいます。
心を凪にするのは難しいでしょうが、少なくとも顧みることができるようにしましょう。
「備えあれば患いなし」
アクワイアに限らず、ゲーム会や何かを企画する際にホスト(GM)は何を意識すべきか?
君子をホストととらえるのであれば、ホストは楽しい時間を共有したい。このゲームが遊びたい。
試してみたいという『志』を実現することです。
受け手や参加者はわざわざ時間を取ってゲームを楽しむことや勝利、承認欲求を満たすことを手に入れたいのです。
特に始めの段階、ホストは『小人』になってはいけません。
それを行うために、ホストはまず情報、場所、道具、食料を準備して餌を用意します。
ゲーム会場の用意やサマリーの印刷、ダイストレイや小物、遊びやすさも提供します。
最も良いのは参加者が手ぶらで来れるのが望ましいでしょう。
貴方自身も勝利を真剣に目指すべきですが、1歩引いて参加者の遊びやすさを保証する意識を重視しましょう。
インスト、銀行員、誰よりもルールを読み込む。
説明や質問の中で指摘や提案があれば、素直に受け入れより良くなる場を作る。
つまり、参加者や仲間に『生』(遊びやすさや場所)と『利』(勝利や良い時間)を提供するのです。
参加者に有利なように取り計らい、損害を与えることを避ける。なるべく妨害するようなことはしない。
苦しめるようなこと、怒らせるようなことをしない。
こうすればおのずと、参加者側から「またやりたい。こんなゲームがやりたい。」と『小人』が『君子』に変わる場合もあります。
また遊ぶ機会があれば、ボードゲームは棚の肥やし(コレクション)にならず、少しずつ消耗して味となり、貴重な資産となるのです。
初めは中々根付かないかもしれませんが、実が結ぶまでの長い時間を『志』があなたの行動を支えます。
もちろん、貴方自身の財やリソースが十分あることが大事です。
無理な借金や健康を害する時間の使い方、無理に餌を用意しているようでは、『君子』になれません。
生活や現状問題があるのであればそちらに注力して万全にしましょう。
家計管理と自己管理の維持が必須!
そして、ここも忘れてはいけません。
無理に全てを準備することが大事なのではなく、志(どういう目的なのか)が重要です。
説明や準備が足りなくても、楽しい時間を共有したいと思えばそれが行動に繋がります。
あらためて、娯楽は人生において非常に高次元の欲求であることを理解しましょう。
なに?お金も時間もリソースもない?
ならば、知恵で勝負するのです(笑)
何せ、アクワイアだけで様々な遊びができるのですから(笑)
お金や状況ではなく、『志』があれば、時間もルールも作れるのです!
流石に、冗談ですが…。
今回はあまりにも文章が長くなるので1度区切ります。
冒頭のさわりだけでこのボリュームです!
また、この「六韜」はとても面白いです。
筆者自身ぱっと読んだだけでもまとめるのが楽しくて楽しくてしょうがない内容の宝庫です。
私自身、この武経七書で新しくブログを立ち上げようか考えているぐらい止まらない内容です。
是非、図書館か本を買って読んでみてください。
ではまた次回。ごきげんよう。
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