今回は、渋沢栄一の名著『論語と算盤』に学び、アクワイア(ACQUIRE)にどのように活かせるかについてお話します。
私は自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
アクワイアは戦略ボードゲームで、企業買収をテーマにしており、常に勝ちたい、少なくとも負けたくないという思いを持つプレイヤーが多いでしょう。
今回は新紙幣の顔にもなった渋沢栄一の教えをもとに、アクワイアで有利に立つためのヒントを探ってみたいと思います。
渋沢栄一とは?
渋沢栄一は、1840年に埼玉県で生まれ、幕末には尊王攘夷運動に共鳴し、倒幕運動に参加していましたが、後に徳川慶喜の家臣となり、幕府の遣欧使節団に加わり欧州へ渡ります。
帰国後は新政府の大蔵省で租税や銀行制度の改革に携わり、その後、実業家として500以上の企業設立に関与した日本の資本主義の父と称されています。
一例として、富岡製糸場、清水建設、東京商工会、第一国立銀行の創立、東京ガス、日本郵船、帝国劇場等に携わりました。
彼の人生はまさに激動の時代を生き抜いたものであり、書と漢詩が趣味だったと言われています。
激動の経歴には目を見張るものがある。
『論語と算盤』とは?
『論語と算盤』は、渋沢栄一が説いた道徳と経済の調和を表現した著作です。
彼の経営哲学を集約したこの書は、ビジネスにおいて道徳(論語)と利益(算盤)を両立させることの重要性を説いています。
彼の思想は、企業経営やビジネスパーソンにとって、現代でも十分に価値のあるものです。
『論語と算盤』の主な教え
渋沢栄一の主要な思想には以下の3点が挙げられます。
- 道徳と経済の両立
渋沢は、ビジネスにおいて道徳(論語)と利益(算盤)は共存できるし、そうであるべきだと考えていました。
この考えは、倫理的に正しいことを実行することが、長期的な経済的成功をもたらすということを示しています。 - 公益の重視
渋沢は、自社の利益だけでなく、社会全体の利益を考えることが重要だと説いています。
この考えは、アクワイアにおいても他のプレイヤーとの協力が重要であることに通じます。
一人で全てを独占しようとすれば、他者からの反感を買い、結果として自分の立場を危うくすることになります。 - 長期的視点
渋沢は、短期的な成功や失敗に一喜一憂せず、長期的な視点で事業を行うことを奨励していました。
これはアクワイアのゲームプレイにも通じ、長期的な計画や戦略が最終的な勝利をもたらすという考え方です。
アクワイアにおける具体的な戦略
アクワイアでの成功は、資金と株券のバランスを保つことが重要です。
特に序盤では、2つの有望なホテルチェーンの株を最大8枚まで取得し、その後は周りの状況を慎重に観察しながら、手持ちの資金を確保し続ける必要があります。
さらに、渋沢の教えに倣うならば、他のプレイヤーと協力する場面を見極めることが大切です。
ゲーム内でも一人勝ちを目指すと、他のプレイヤーの反感を買い、孤立する可能性があります。
渋沢の「仁義」を重んじる姿勢は、アクワイアでも十分に活かせるでしょう。
例えば、他のプレイヤーとの協力でホテルの合併を円滑に進めることで、自身の利益を最大化することが可能です。
以下の内容も戦略に活かせるでしょう。
・蟹穴主義が肝要 (処世と信条)
参考図書:株式会社大和出版 創業者を読む①論語と算盤
蟹は自分の背負っている甲羅の大きさしか穴を掘らない
→「分相応の穴(利益や住まい、所有)を持つこと」
『以って進むべくんば進み、以って止まるべくんば止まり、以って退くんば退く』(論語)
己が分をわきまえ忘れるな。「分」というものを守りきることが大切である。
・得意時代と失意時代 (処世と信条)
参考図書:株式会社大和出版 創業者を読む①論語と算盤
得意の時はだれしも調子に乗る傾向がある。禍害(かがい)はこの欠陥に食い入る。
得意の時こそ気を緩ませず。
失意の時こそ落胆せず、常操(いつも変わらない節操。)を以って道理を踏み通すように心がけて出ることが肝要である。
・武士道は即ち実業道なり(実業と士道)
参考図書:株式会社大和出版 創業者を読む①論語と算盤
武士道は中々に複雑な道徳である。正義、廉直、義侠、敢為、礼譲などの美風を加味したものである。
『富と貴(たっとき)とはこれ人の欲するところなり、その道を以ってせずしてこれを得れば処(お)らざるなり、貧と賤とはこれ人の悪(にく)むところなり、その道を以ってせずしてこれ得るも去らざるなり』(論語)
この武士道は、儒者や武士とかいう側の人々においてのみ行われるものではなく、文明国における商工業者の、よりて以って立つべき道もここに存在することと考える。
短期的な成功や失敗にとらわれず、長期的な視点で行うべきですね。
まぁ、そうはいってもなところもあります。
何はともあれ、事前の準備をしっかりとしましょう。
ゆっくりと金持ちになりたい者はいないということだ。
調子の悪い時(敗後)にこそ人の底が出てくる。
公益の重視とアクワイア
渋沢の「公益の重視」は、アクワイアのゲームプレイにも直接的に応用できます。
ゲームにおいても、他者との協力関係を築くことが、最終的に自分の利益につながるのです。
例えば、特定のプレイヤーが有力な株を独占しようとすると、他のプレイヤーからの協力が得られず、結果として自分の戦略が崩れることがあります。
そのため、渋沢が説いたように、他者に利益を分け与えることで、全体の資産が増え、自分にも還元されるという視点が重要です。
以下の内容も戦略に活かせるでしょう。
・よく集めよく散ぜよ(仁義と富貴)
参考図書:株式会社大和出版 創業者を読む①論語と算盤
貨幣が特に便利というのは、何物にも代わり得らるるからである。
太古は物々交換であったが、今は貨幣さえあればどんなものにでも心に任せて購(あがな)うことができる。
総じて金は貴(たっと)ばなければならぬ。これは単に青年ばかりに望むのではない。
老人も壮者も男も女も、すべて人の貴(たっと)ぶべきものである。
貨幣は物の代表であるから、物と同じく貴(たっと)ばなければならぬ。
要するに、金は社会の力を象徴するものであり、それを尊重するのは当然のことです。
しかし、必要なときに適切に使うことも大切です。
しっかりお金を集め、それをうまく使って社会を活性化させることが、才能のある人の心構えです。
これにより、経済の発展も促進されます。
本当に優れた財務管理者は、よくお金を集めるだけでなく、適切に使うことができなければなりません。
お金を適切に使うとは、正当な支出を行い、有効に活用することです。
守銭奴にならないように注意が必要です。
いかがでしょうか?
・口は禍福の門なり(常識と習慣)
芭蕉の句「ものいえば唇寒し秋の風」(余計なことを言えば、そのためにかえって災いを招くということ他人の欠点を言ったり、自分の長所を自慢したあとは、むなしい気持ちになるということ)・義理合一の信念を確立せよ (仁義と富貴)
賄賂や不正、道理にそぐわないことは、はなはだ以って遺憾に堪えない。
『仁をなせば則ち富まず、富めば則ち仁ならず。』(論語)
仁と富とを全く別物に解釈してしまったのは、はなはだ不都合の次第である。・防貧(ぼうひん)の第一要義(仁義と富貴)
いかに自ら苦心して築いた富にしたところで、富は即ち自己1人の専有(ひとりじめ)だと思うのは大いなる見当違いである。
要するに、人はただの1人のみにて何事もなしうるものでない。国家社会の助けによって自らも利し、安全に生存できる。
参考図書:株式会社大和出版 創業者を読む①論語と算盤
『己れ立たんと欲して人を立て、己れ達せんと欲して人を達す。』(論語)
(すぐれた人はよい事を行なうのに、自他の区別をしないこと。 自分が目標を成しとげようと思うときは、まず人を助けて先に目的を成しとげさせること。)
余りにも勝ちすぎるものは、いつか誰も近づかなくなり、長期的に見れば負けてしまうだろう。
不正や道理にそぐわないことはすべきではない。
たとえ…現行の法律やルールで問題なかったとしてもな。
会計責任者だけを罪に問うことなら、だれにでもできるだろう。
まとめ
『論語と算盤』に学ぶ渋沢栄一の経営哲学は、アクワイアのゲームプレイにも多くのヒントを与えてくれます。
道徳と経済の調和を図り、長期的視点を持ちながら、他者と協力して利益を追求する姿勢が、最終的に勝利へと導く鍵となるでしょう。
現代においても、渋沢の教えは非常に普遍的であり、私たちのビジネスや人生に重要な指針を与え続けています。
アクワイアにおいても、渋沢の思想を取り入れ、バランスと協力を重視した戦略を心掛けることが成功への道と言えるでしょう。
今回は私が添削、推敲しました。読みやすかったですか?
単純に文章や構成をまとめるなら、君の右に出るものはいないな。
お役に立てて嬉しいです。
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