アクワイア(ACQUIRE)という盤上遊戯 No.1

アクワイア(ACQUIRE)の話 その1-RE_アイキャッチアクワイア(ACQUIRE)

お疲れ様です。
自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
今回は2024年3月14日に発売された
完全日本語版の新作アクワイア(ACQUIRE)とその魅力を改めて紹介します。

「おすすめのボードゲームは?」と聞かれたら、私は真っ先にこれを勧めます。

■アクワイア(ACQUIRE)とは?

ホテルの吸収合併による不動産売買を利用してお金を稼ぐことをテーマにした
なんともアメリカナイズなボードゲームです。
プレイ人数は2~6人 対象年齢:12歳以上 プレイ時間:90分
その始まりは古く、一般に普及されたのは60年前の1964年です。
あれ?1962年では?という方は下の記事をどうぞ。

アクワイア(ACQUIRE)の話 その22_アイキャッチ

記事:アクワイア誕生

■アクワイア(ACQUIRE)の魅力

●色褪せない面白さ

・最終的には、誰も損をしない不動産投資

本来の不動産投資であれば、銀行から融資を受けて行うことも多いですが、
アクワイアにおいて、借金はできないことがゲームの面白さを維持しています。
借金ができないゲームなので、初期資金からお金を増やさない方が難しいです。
しかし、市場で勝つためにはリスクをとる必要があることを教えてくれる。
そんな魅力的なゲームなのです。
「アクワイアなら、明日は今日より必ずよくなるという姿を約束してくれます!」

・運だけではない歯ごたえのある戦略性

しかし、借金ができないので手元にある資産だけが頼りです。
株券購入のために、資金枯渇が十数ターン後にはほぼ全プレイヤーの下にやってきます。
これを如何にして乗り越えるか?
投資における「種をまく」ことの難しさを提供してくれます。
不確定要素に対するリスクヘッジ学習には十分活かせる教材となりえます。
まぁ、現実の場合は値下がりもあるのでよりシビアですね。

・古臭さを感じさせないゲームシステム

同じ盤面はほぼやってこない再現不可能性の高さ。
決断と偶然のバランス(つり合い)が洗練されているゲームシステムです。
勝利と敗北がしっかり存在するシビアなゲーム性でありながら、意外と差がつかない。
「重め」のゲームにしてはシンプルで明確なのも魅力です。
古典的なユーロゲーム(アメリカ産ですが…。)の代表です。
古典4大ボードゲームに選ばれるのも納得です。他は「リスク」「モノポリー」「ディプロマシー」です。

●時代に合わせたタイクーンモードの登場

・金融格差にメスが入った追加ルール

正確には最新版の1つ前(ボードが10×10で珍しい。)の公式ルールとして、配当金が3位までに入るようになりました。これは非常に良いルールです。
これで初心者は資金繰りの敷居が低くなりました。キャッシュフローの増加です。
ベテランにはホテルの介入者が増え、株の競り合いがよりエキサイティングになりました。
プレイ人数が増えれば増えるほど、2位までのボーダーラインが難しいゲーム。
より良いリメイクは、良いゲームの寿命を延ばします。
ゲームに慣れて、シビアに行くならクラシックモードがおすすめです。

個人的にゲームはちょっとストレスがある方が良いのです。
出し抜いたときや計画通りに進むと爽快です。

・しかし、ゲームの根幹は60年前と変化なし

デジタルゲーム、アナログゲームに関わらず、
ゲームのリメイクは「再現」か「改良」のどちらかです。
操作性を上げたり、追加の要素や表現を加えたり、
バグや不満点の修正をすることが多いです。

アクワイアにおいては、追加要素は遊びやすくなったルールを追加した程度。
ホテル数や、相場は初代から変化していません。
つまり、洗練されているゲーム性の根幹部分は現代まで生き続けています。
古臭い?そうおっしゃらずに。

リメイクが果たすべき目的は「懐かしくもあり、初めての人でも新しく始めやすい」だと思います。
良きリメイクはさらに、「新規参加の良いスパイラルを生み出す。」
「リメイクのリメイク」が出ることは中々ないです。

「リメイクのリメイクのリメイクの…」が出ているアクワイア(ACQUIRE)は
その条件を満たしています。
ここまでバージョン違いのボードゲームが出るものはそう多くはありません。
国を超え、時代を超え、面白さはそのままに遊ばれるゲーム。
そんな歴史も魅力の一つです。

●美しいゲームデザイン

・60年間の賜物 様々なデザインと種類

60年の積み重ねが無ければ、バージョンの豊富さはありえません。
面白くなければ、長期間もゲームとして残りません。
長くゲームが販売されなければ、日本にやってくることもなかったでしょう。
初期の3M版はもはやコレクションの領域となっています。

・より近代化となったアートワーク

私は2008年版のバージョンのお札や株券が好きなのですが、タイルもホテルも厚紙製です。
なので、地味に見られるところがあります。そういう意見もちらほら見かけます。

しかし、最新版はより近未来的かつカラフルとなった外装に。
しっかりボードにハマるタイル。立体的かつ高さでしっかり価格帯もわかるホテル。
コレクションの1つとして申し分ありません。本当にお札は少々残念ですが…。

アクワイア(ACQUIRE)の話 その3-RE_アイキャッチ

記事:3M版、2008年版と最新作の違い

■最新作のアクワイア 

●待ち望んでいた完全日本語版の登場

・英語版の翻訳しかなかった購入当時

私自身がこの「アクワイア」に出会ったのは本当に偶然でした。
ボードゲームと言えば、人生ゲームだった
自分がこれほどに興味を惹かれるなど思ってもいませんでした。
漫画:放課後さいころ倶楽部で興味を引かれ、気づけば2008年版をアマゾンで購入しました。

英語はあまり得意ではなかった自分は付属していた取扱説明書に頼るしかありませんでした。
アクワイアを知り、日本語訳があったことで今日まで大切にプレイすることができました。
些細な幸運だったかもしれませんが、それが私の人生を変えたボードゲームとなったのです。

本当に余談…

「タワーが高級ホテル」は私の中では常識だったのですが、
3M版(初代)や最新版(ハズブロ版)では「タワーは低級ホテル」だったことに衝撃を覚えました。
その後調べていくうちに、「タワーは低級ホテル」だった方が時期が長いことを知ります。

「私はアクワイアについて何も知らない…。」ブログを始めたきっかけはそこからでした。

さらに余談。
「アクワイアの何に人生を変えられたの?」

初めて、勝つために数日間も研究したゲームなのです。
正直言って、大体身内でやる際は自分の持っているボードゲームなので勝てる。
ただ、アクワイアに関してはまぁ、勝てない勝てない。
自分が買ってきたのに。なんで?
昔からあったブログの攻略や方法を見ても、とても参考になれどまぁ勝てなかった。
ソロアクワイアもそうですが、自主練等やとにかく研究しました。
どちらかというと競争が嫌いなのですが、そのときは、勝ちたい気持ちが100%になっていました。

ようやく初めてアクワイアに勝利した時は自分でも驚くぐらい非常にうれしかった。
今でも覚えています。2016年の9月に2008年版を購入して、2017年の10月。
うおぉぉぉぉぉぉ!!と自分のやった苦労に泣く「瞬間」。
現在、ブログ上に書いている攻略法や格言集は文字通り「研究成果」なのです。

・こんな時は?のルールが記載された説明書

他人にアクワイアの銀行員としてプレイしていると、
タイルの置き間違いや、建設ボーナス時に株券が手に入らない状態などは稀に発生します。
ルールブックには書いてあるかもしれない。でも、すぐには出てこない。
仕方がないので初めはハウスルールとして咄嗟に説明し、処理していました。
(これはTRPGのキーパー経験が役にたちました。)

これも良さですが、しかしそれも、2024年3月14日まで。
痒いところまで手の届いたルールブックが手元にやってきたのです。
プレイ人数に合わせて、2人プレイ用のルールも載っています。

・完全日本語版サマリーのありがたさ

サマリーというのは自分の為にも、遊んでくれる相手の為にもなります。
今までは、相場表をボード上で表現できるようにホテルチェーンの上には6面や12面ダイスで価格帯を表記していました。

最新作にはありがたいことに各プレイヤー分の相場表と簡潔なサマリーがあります。
プレイしやすさの敷居を下げるのにこれほど良いものはありません。

最後に

アクワイアはどうしても株券投資がテーマです。
ボードゲームの中でも有名な部類でありながら、話題やランキング上位に挙がらず、
国内では掘り出し物の位置にあるように感じます。

不確定ながらも、資金繰りと数手先を考える面白さ。
ホテル所有者の線引きが厳しいゲームシステムでも、全員の手持ち資金が必ずプラスで終了するゲームです。

偉大なゲームデザイナーであるシド・サクソンも既に亡くなられ、
拡張版やヴァリアントなどが出ることもないでしょう…。
ですが、間違いなく。私にとってはNo.1のボードゲームなのです。
これからも、研究家としてアクワイアを紹介していきたいと思います。

最近ではボードゲームもさらに洗練され、
国内でも十二分に面白いゲームが続々出ています。
ゲームマーケットも非常に盛況です。
ボードゲームの知名度はかなり良くなってきています。
少しでも、国内のアクワイアプレイヤーの増加に貢献できることを願って。

是非とも、皆様にアクワイア(ACQUIRE獲得)していただきたいボードゲームです。

ではまた次回。ごきげんよう。

アクワイアでナイスなゲーム体験を!

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