お疲れ様です。 自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
前回、地主ゲームがモノポリーに発展した歴史に軽く触れました。
実はシド・サクソン自身も所有権と地代を基礎としたゲームがあります。
A GAMUT OF GAMESの中に、プロパティというゲームで載っています。
1995年に「ニューヨーク(NEW YORK)」というタイトルでリメイクされています。
ボードゲーム:プロパティとニューヨークの概要
表紙はBGG(ボードゲームギーク)に投稿された画像です。
日本で「ニューヨーク(NEW YORK)」を入手するとしたら、中古オークションで稀に出る程度でしょう。シド・サクソンの名前が見えます。
プロパティ(PROPERTY)
「プロパティ」は2~6人用です。8×8のボード上で行われ、マスをある方法で指定して領地を広げます。
「マラケシュ」のように他プレイヤーの領地を踏んだら賃料を支払います。
そして、プレイヤー1人が破産したらゲーム終了です。
その時点で、現金を最も多く所有しているプレイヤーの勝利となります。
選択ルールによっては、土地1つにつき5ドルとする場合もあります。
紙と鉛筆、トランプとポーカーチップ一式で遊べるシンプルなゲームです。
厳密には紙とペンのゲームです。
興味があれば、本書を確認してみてください。
ニューヨーク(NEW YORK)
1995年にリメイクされた「ニューヨーク(NEW YORK)」はルールがいくつか調整されました。
プレイ人数は2~5人でマス数は7×7に変更され、アクションカード等のバリアントルールが導入されています。
こちらは現金よりも領土を取り合うことがメインになりました。
ちなみにスヴェン・キューブラ―との共作です。(他作品:Dragorun 2018年 日本語版はなし)
特徴
これらのボードゲームの特徴はマスの選び方です。
それは縦列のカードと横列のカードを組み合わせて出す方式です。
上写真のように6のカードとFのカードを出すことで、6-Fが確定します。
ジョーカー(ワイルドカード)もあり、写真の場合はF列ならどこでも置けるようになります。
当然、この状態ならマスのどこでも置けます。これ以上の切り札はないでしょう。
手札として、縦のカードと横のカードを手札に最低2枚以上持ち、手番になったら出していきます。
本来の「ニューヨーク(NEW YORK)」はブロードウェイといったニューヨークの目抜き通り(市街で最も人通りの多い、中心的な通り。)がカードに記載されています。
縦横に走る道の名前のカードを組み合わせて、ニューヨーク市街の土地を奪い合います。
これは…アクワイア(ACQUIRE)に活かせるのでは!?
ボードとカードデータ
ということでボードとカードデータを用意しました。A4の白黒印刷でOKです。
ちょうど、7×7マスは「短縮版アクワイア」としてアレンジルール内で提案しています。
こちらに加えて遊べると面白いかもしれません。
正規版も作れなくないけど…。枚数がね…。
アクワイア(ACQUIRE):プロパティ ルール 3~4人用
まず、カードデータは2部印刷しましょう。
同じカード4枚で合計64枚のデッキで遊ぶのが良いです。
手間がかかりますが、それに見合った楽しさはあるかと。
ゲーム中は黒のデッキと白のデッキとして分けておきましょう。
それぞれ32枚ぐらいなので丁度よいバランスになります。
元々のタイル引きがもどかしいので、ワイルドカードがありがたいルールです。
元ネタでは既に置かれているマスにも置けます。
ただし、アクワイア(ACQUIRE)の場合は別の処理が必要です。
ルール変更点
短縮版アクワイアのルールも適用します。
1.使用タイルは1A~7Gの49枚
2.使用ホテルは4種類に変更 高級×1 中級×2 低級×1
3.終了条件は正規ルールと同じです。
(1つのホテルが41枚以上で構成。ボード上のホテルが全て独立状態となる。)
建物タイルはボード上の見える場所に置きましょう。
タイル配置用のカードは黒のデッキと白のデッキとして分けて置きます。
順番決め
黒のデッキと白のデッキをそれぞれシャッフルした後に1枚ずつ引きましょう。
そして、該当する場所にタイルを指定位置に置きましょう。
ワイルドカードが出た場合は引き直してください。
1-Aに近い人がプレイヤーです。
手札の準備
全プレーヤーに黒と白のカードをそれぞれ4枚(計8枚)渡します。
後は、スタートプレイヤーから進めていきます。
手札のプレイ
手番始めに黒と白のカードを1枚ずつ出してマスを確定させます。
使用したカードは捨て札として脇に置いて置きます。
空いているマスに建物タイルを置いた場合は正規ルールと同様です。
①ホテルチェーンの建設、②ホテルの増設、③ホテルの吸収合併、④何もなし。
その後、株券を3枚まで購入します。
既にタイルがあるマスの場合
このルールの場合はタイルが重複する場合があります。
その際はタイルを置きません。(すでにタイルがあるため。)
その後、重複させたタイルホテルチェーンかどうかで処理が変化します。
ホテルチェーンなら 他者から株券を獲得!ただし…。
重複したタイルがホテルチェーンだった場合はそのホテルチェーンの株券を1枚、他プレイヤーから獲得できます。(任意)
複数いる場合は、プレイヤーを選んでください。
(この時、他プレイヤーは正直に銘柄を持っていることを教えましょう。)
その後、現時点の相場でそのプレイヤーに支払います。
(例:サクソン1枚が$300ならその分払う。)
株券購入はその手番中は2枚までです。(これで合計3枚となる。)
支払うお金がない場合は奪うことはできません。
しかし、購入上限は2枚です。
(そもそも、お金がないとは思いますが…。)
無所属のタイルなら 無償で$500を獲得!ただし…。
無所属のタイルであれば、ただちに$500を獲得します。
ただし、株券の購入はできません。(1回休みにも近い。)
黒と白のカードを1枚ずつ引いて手番終了です。
株券購入後
プレイしたカードは捨て札として山札と混同しないように分けて置いてください。
その後、黒と白のカードを1枚ずつ引いて手番終了です。
手札が合計8枚になっていることを確認しましょう。
山札が無い場合は、捨て札をシャッフルしてカードを引いてください。
このルールの特徴
元ネタが所有権ですので…。
このルールでは明確に他プレイヤーから株券を奪うことができます。
序盤は妨害に使用できるでしょう。
また、どのプレイヤーが該当する銘柄を持っているかを確認できるのも大きいです。
何もない場合でも、$500手に入るので無駄にはなりませんし、救済要素でもあります。
ただし、株券購入に制限がかかるので注意しましょう。
タイルが増えない時間がありますので、短縮版よりはプレイ時間が伸びます。
ですが、正規版よりは短いでしょう。
微妙にタイル配置も操作できるようで、出来ない…。そんなバランスです。
ボードゲーム「マンハッタン」のようで…「ニューヨーク」でもない。
これは「アクワイア:ブロンクス」と呼びましょう。
ニューヨーク市のブロンクス区とシド・サクソンにはある関係があります。
「アクワイア」のアレンジとして面白いのではないでしょうか?
この機会に是非。
「ブロンクス」は「アクワイア(ACQUIRE)」の新たな1-Aになるかも!
ではまた次回。ごきげんよう。
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