お疲れ様です。
自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。
何やら『アクワイア(ACQUIRE)』を参考にしたゲームがあったらしい?
今回はボードゲームのアクワイアとモノポリーを合わせたゲーム性を持つ。
スーパーファミコンで発売された「タワードリーム」をご紹介します。
レトロゲームなので、今遊ぼうとすると準備が大変です。
タワードリームとは?
「タワードリーム」は1996年にスーパーファミコンで第1作目が株式会社アスキーで発売。
第2作が1998年にアクセラからプレイステーションで発売されました。
名作古典ボードゲームのシステムを混ぜたデジタルゲームです。
ボードゲームのアクワイア(ACQUIRE)よりもお金の計算が多く複雑です。
デジタルゲームのメリットである計算処理の速さを活かしています。
他のデジタルゲームで表すなら、「いただきストリート」にも近いですね。
(第1作目が1991年に株式会社アスキーから出ています。同じ会社なので影響していそうです。)
「タワードリーム」の概要。
「タワードリーム」の説明書からゲームの目的と流れを見てみましょう。
ゲームの目的
スーパーファミコン タワードリーム 取扱説明書
「タワードリーム」はサイコロを振って進みながら会社やビルディング(建物)を建設し、どんどん大きく育てていって、いちばんお金持ちになるのは誰かを競う、まったく新しいタイプのボードゲームです。
ゲームの流れ
スーパーファミコン タワードリーム 取扱説明書
1.サイコロを振って進む!(出目[10面サイコロ]に従い、マップの外周を進む。)
2.ランドマークを建設(アクワイアでいう建物コマ)
3.ラインフィーの支払い(モノポリーでいうレンタル料)
4.会社を設立(ランドマークを2つ以上くっつけると会社を設立。会社は全部で9種類。)
5.会社を大きくしよう(ビルの増築、会社の吸収合併でその会社のオーナーを目指す。)
6.最後のランドマークを建てたらゲーム終了!
これがタワードリームだ!
軽く聞いただけでも、アクワイアの要素がかなりありそうです。
どの辺がアクワイア(ACQUIRE)?
ランドマークや会社の扱い。
「タワードリーム」における名称をアクワイア(ACQUIRE)で表すと…。
タワードリーム | アクワイア(ACQUIRE) | 備考 |
---|---|---|
ランドマーク (マーカー) | 建物コマ、建物タイル | ランドマークの建設は無料。アクワイアと同等。 |
会社 | ホテルチェーン | ランドマークを2つ以上くっつけると会社を設立。 アクワイアと同等。 |
ビルマーク ビル=1フロア | 設立ボーナス (株券1枚分) | アクワイアと同等。 |
ビルの増築 (フロア) | 株券の購入 | ビルの増築は1度に3フロアまで建設可。 ビルは最高20階まで。 アクワイアの場合は25枚まで。購入は1度に3枚まで。 |
ウッポー・カンパニー | 独立して安定した ホテルチェーン | ゲーム終了時までボード上から消えなくなる会社(13レベル以上) アクワイアの場合は11枚以上の建物コマで構成されると独立。 |
会社の合体 | ホテルの吸収合併 | レベル(構成ランドマークの数)が低い方が吸収されてボード上から消える。 同レベルの場合はビルの総フロア数が少ない方。 レベル、フロア数が同じ場合は吸収合併をさせたプレイヤーが選ぶ。 |
オーナーボーナス | 配当金ボーナス | トップオーナー=筆頭、サブオーナー=次席。 オーナーが同率時の処理もクラシックモードのアクワイアと同じ。 ボーナスが分割される。 |
名称は違えど、会社の設立条件や吸収時の配当金処理はアクワイア(ACQUIRE)そのままです!
アクワイア(ACQUIRE)との違い。
建物コマ(マーカー)の建て方。
アクワイア(ACQUIRE)でいうタイルナンバーに応じた配置ではありません。
図のような移動したマスの列上で配置先を選べます。
「タワードリーム」では出目によって、マーカーを建てられない場合があります。(マップの4隅)
マップの4隅を含めていくつかはイベントスポットとなっている。
モノポリーでいうチャンスカードやGOマスに近いです。
(1周して止まるか通過したら銀行から$200を獲得)
収入の方法もいくつかあるので、アクワイア(ACQUIRE)と違ってマスを置けない場合も不利にはなりずらい。
ホテルチェーン(会社)と株券(フロア)の数
「タワードリーム」では9種類かつフロアはプレイヤーそれぞれで20階分用意されています。
全体から奪い合うのではなく、個別に上限があります。
また、独立して安定する条件は13枚以上と変化しています。
株券保有数での名称変化と収入
タワー(13階以上)でラインフィー(レンタル料)の収入が1.3倍です。
グランドタワー(20階)で2倍になる。また、マップを1周すると給料(サラリー)が入ります。
アクワイア(ACQUIRE)よりも資産の変動が多いのが特徴です。
ゲームの終了条件
「タワードリーム」では空き地の合計数75%かプレイヤーの1人が破産した場合にゲーム終了です。
アクワイア(ACQUIRE)はボード上のホテルチェーンで決定され、終了は手番プレイヤーの任意です。
モノポリーの場合は他のプレイヤーが全て破産するまでか時間を決めて終了なので多少異なります。
まとめ
今回はアクワイア(ACQUIRE)を元ネタにしたタワードリームを紹介しました。
ホテルの建て方は見事に落とし込まれています。
10面サイコロの出目によっては中々苦労するでしょうが、配置する際の選択肢は『アクワイア’97』に匹敵しそうです。
余談ですが、人生ゲームのベースは1860年。
モノポリーの量産化は1935年。
アクワイア(ACQUIRE)の量産化は1964年。
「いただきストリート」の発売が1991年。
「タワードリーム」は1996年。
そして完全日本語版アクワイアが2024年。
面白いゲーム性は姿を変え、形を変えて世に広まっていきます。
世の中にあるものは大抵、何かと何かを組み合わせて産みだされています。
それが「車輪の再発明」となるか、「巨人の肩の上に立つ」かは他者の評価によるでしょう。
ですがこれだけは言えます。
非合法な手段でなければ、人が何かを創造することには価値があります。
自分が本当に何者かを示すのは、持っている能力ではなく、自分がどのような選択をするかということ。
組み合わせも十分に独創性を持ちます。もちろん。先人たちの功績に敬意を持ちながら。
ライン上にホテルを建設…。非常に興味深い…。
ではまた次回。ごきげんよう。
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