アクワイア(ACQUIRE) No.37-2 武経七書に学ぶ。六韜編 その2

アクワイア(ACQUIRE)の話 その37_2_アイキャッチアクワイア(ACQUIRE)

お疲れ様です。自称:アクワイア研究家 のだじゅらく と申します。

とにかくアクワイアで勝ちたい。
いや、少なくとも負けたくない。

今回は武経七書の1つ「六韜」(りくとう)から、アクワイアに活かせる?ものを取り上げたいと思います。前回の続きとなります。合わせて-3選-といったところです。

見逃した場合はご注意ください。
戦略や戦術があらゆる選択で有利になりますように…。
また、今回の記述内容は戦争の存在を否定や容認、利用する内容ではないことを改めてお伝えします。

アクワイアで活きる「六韜」(りくとう)の教え -2選-

「文伐(ぶんばつ)の法は奈何(いかん)」(武韜の巻:文伐篇)

意味:「武力を使わずに目的を達するにはどうすればよいか?」

これは太公望ではなく、文王の相談からです。
その後に話が続き、12の方法があると説きます。

12の方法

1.相手の要求を求めるままに聞き入れる。やがて驕りが生じ墓穴を掘るのでそこを突く。
2.敵側の寵臣(ちょうしん)を手なずけて君主と権力を二分する。
3.敵国の側近に賄賂を贈り、心をとらえる。相手国にとって良いはずがない。
4.敵国に美女を送り、政治を忘れるように仕向ける。その後下手に出て、相手の調子に合わせる。それで勝手に滅ぶ。
5.相手の使者を熱くもてなし、君主を軽く扱う。新しい使者が来たらそのものを丁重に扱う。それで君主は前の使者を疑うようになる。これで結束にくさびを打ち込む。
6.相手の内政官を懐柔し、外交官と関係を悪くさせる。内部がバラバラなら自然と滅ぶ。
7.利益で釣って職責を怠るように仕向け、相手の備蓄を使わせてしまう。
8.相手に協力を求め、相手の利益になるように取り計らう。これを繰り返し、君主から外国に力を貸すようになればその国は必ず敗れる。
9.相手をとにかく褒めていい気持ちにさせる。相手が尊大に構えるようになれば必ず政治を怠る。
10.謙虚な態度で仕えて心をつかみ、信頼を得たのちに密かに切り崩す。これで自然に崩壊する。
11.今以上の地位や報酬を提示し、こちらが十分に備蓄があることを見せて引き抜く。そもそも臣下は高い地位と豊かな生活を望む存在だからだ。
12.餌をばら撒いて相手を誘い、好機が来れば他国と手を結んで始末する。

現代ではこれを直接行うのはどうなんだろうという内容も多いですが、似たような事例や思い当たる節があるのではないでしょうか?
汚いとかえげつないとか感じるでしょうが、これは国の存亡がかかっているので、謀略は必須なのです。
これぞ、へい詭道きどうなり」

兵法書において、「戦わずして勝つ」は最上の勝ち方であると説いているものが多いです。
お金や美女は国家にとっては大したリソースではありません。
すぐに手に入るからです。う~ん。

ただ、武力となると一度使えば取り戻すまでに多くの時間と反感を持たれ、滅ぶ要因になります。
使うときは本当に最後の手段として用いよということです。

さて…。アクワイアにおいてはここまでの謀略は必要としませんが(笑)
相手というよりも自らが負けるにはそれなりの理由があります。

アクワイアでの戦略

1.儲かる期待値の低い(見込みがない)ホテルに注力する。(資金の枯渇)
2.お金がある程度貯まったのに、独立したホテルを見ない。(最後の清算時のボーナス)
3.他プレイヤーと協力関係がうまく築けずにホテルの成長を妨害される。(妨害や過度に目立つ)
4.目先の利益に囚われて、実は対して稼げていない。(2マスのホテルで筆頭になる。)
5.周りよりも明らかに株が買えていない。
6.もちろん時の運。

「尉繚子」(うつりょうし)の教えの中でも、運も所詮、より良い状況を作り出した結果に過ぎないとあります。
不利があると判断したら、別の手を考えて方針を変えることも人事じんじです。

そこまでして負けたなら「アクワイアは運ゲー」とは言わなくなるのではないでしょうか?
ただし、どうしてもという場合は言ってよいものとする。
娯楽の感情も時には大事です。

「士(し)の高下(こうげ)を知る、これを為すこと奈何(いかん)」(竜韜の巻:選将篇)

意味:武王「人物を見極める方法を教えてほしい。」

こちらは周の文王ぶんおうの後継者の武王ぶおうが人材登用の方法を聞いているところから始まります。
人事採用の方やお友達の関係に悩む方は知りたい内容かもしれません。

初めに太公望は外見と中身の一致しない場合を15も挙げていますが一例を。

へりくだった顔つきをしていながら心は傲慢なもの。
使い物にならなそうに見えて、使者として外国に出すと立派に使命を果たすもの。

勇気があるように見えて、臆病なもの。
過激なことを口にしながら、立派な成績をあげるもの。

人間は一様では無いと説きます。

ちなみに、ここでいう外観の意味は広く、服装、容貌、態度、姿勢、発言を指しています。
また、この時代の将(しょう)は国の存亡にかかわる大きな権限と責任を持ちます。
後継者である武王(ぶおう)はこのことが知りたくて仕方がなかったのです。

なので、碌な権限(まともな決裁権、1度に経費で申請できる金額が少ない)のない主任や、係長、課長といった責任ばかり問われる管理職とは前提が違います。
現代における『小人』の組織とは悲しいものです…。

本題はここから。見抜くには8種類の方法があるそうです。

人を見抜く方法8つ

1.質問してみて返答の内容で判断する。
2.問い詰めてどんな対応をするかで判断する。
3.スパイを使って裏切りを誘い、誠意を確かめる。
4.表面からずけずけと訪ねて、人柄を観察する。
5.お金を管理させて、どの程度清廉であるかを確かめる。
6.女性や男性を近づけて、どの程度貞節であるかを確かめる。
7.困難な任務を与えて、どの程度勇気があるかを判断する。
8.酒を飲ませて、酔い方を観察する。

シンプルにまとめられつつも、細やかな方法です。
人事採用のテクニックがうかがえます。
人が人を選ぶのも人事を尽くさねばなりません。

アクワイアには…というよりはボードゲームの相手や交友関係において考えることがあります。

ボードゲームは人を見抜くのに役立つ

距離を置くべき存在や大事にすべき存在を見極めることは重要です。
1回目の「六韜」(りくとう)の教えの中にリーダーの楽しみは志を実現することとありました。

ですが、いくらリーダー「人事」を尽くしてもなびかぬものもいます。
営利関係のない娯楽ですが、人生を豊かに暮らすためにそれで惑わされていては困ります。

そういった人間は自然と淘汰されていきますが、温厚そうに見えて盗みを働く者もいます。
不思議なことにボードゲームは人の本性が出やすい部分があります。

ルールへの理解やジャンル(メカニクス、テーマ)への興味。
コマやお金を他プレイヤーに丁寧に受け渡したり、計算を手伝うもの。
相手の長考に苦言を指す者。
間違えた時に素直に過ちを認めて、相手に感謝できる人間。
コンポーネントが汚れないように飲み物や食べ物の位置に配慮するもの。
しれっと、点数をごまかしたままにするもの。思い込みや間違いは誰にでもあります。

実際にお金や人の命がかからない勝負事であるからこそ、良くも悪くもタガが外れやすいのです。
匿名性の高いインターネットよりは人の顔が見えるので見極めやすくもあります。
近年の研修や物事の紹介でもボードゲームを活用する場所が増えているのは自然なことではないでしょうか?

まとめ

今回は「六韜」(りくとう)から前回も含めて3選を挙げました。

ホスト側の楽しみは志を実現し共有すること。受け手や参加者に心を尽くす。
アクワイアで負けるのは結果論だが、それなりの理由がある。
ボードゲームは人を見抜く立派なツールである。

なんとこの「六韜」(りくとう)はまだ3つも『韜』(とう)が残っています。

敵陣に入った際の動き方。様々な地形での布陣。部隊編成や教育訓練のコツ。

折角ですから、たまには図書館にでも行って読んでみてはいかがでしょうか?
書籍が多くないので探すのに苦労しますが、それも楽しむ気概で行きましょう。

ではまた次回。ごきげんよう。

袋にはあらゆる選択肢を詰めておこう!

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